倒錯の夏
第30章 六日目・8月11日 キンダン‐ショウジョウ
私の帰りが遅かったので、夕食の準備は菜穂と夫が先に始めていた。慌てて食堂に行くと、もうテーブルの上の準備も出来かけていた。
私も急いで手伝いに参加した。菜穂は「あとはやっちゃいますから、いいですよ」と言ってくれた。「後も忙しいだろうし」
明るい笑顔を見ると、あの子供たちの玩具にされている、という昨日聞かされた小村の言葉は信じられなかった。
でも、彼女は、朝の一件も、わたしが昼間どこで何をしていたのかもすべて知っている。そして、これから何をするのかも・・・。
夕食が始まった。無邪気に騒いでいる子供らの間を、菜穂がお茶をついで回るのを私は厨房からじっと見ていた。
その様子に、自分の今朝の様子を重ねて想像してみる私。
・・・あんなふうに歩きながら、私は自分のお尻を子供たちに見せていた。あんな風に一歩一歩お尻を振りながら、歩いていた。
・・・ジーンズの上からでも、あんなにいやらしく腰が動いてる・・・あれを裸でしたら・・・。
・・・ひょっとして、私、わざとやってたんじゃないの?子供たちに裸のお尻を見せて、あんな風に振って挑発して。ほんとはそれが快感だったんじゃないの?
・・・でも、あんなに恥ずかしかった。自分が情けなかったじゃない・・・。
・・・でも、結局、濡らしてたわ・・・・。それって、どういうこと??
「お~、うるさくてたまらんな」
夫がいつの間にか後ろに立っていた。夫は相変わらずの調子だ。
「昼間、子供の相手なんかよくできるな、お前」
私といっしょに、食堂のすさまじい熱気を見つめながら声をかけてくる。・・・子供の相手。そう。たしかに、私は昼間、子供のアイテをした。
夫のあなたはとても想像できない内容の。あなたには、言えない。このままじゃ、いけないから。自分でどうにしないと。
「そうね・・・今日も、ちょっと疲れちゃった。」
適当な答え・・。
「つきあわなくていいのに」
わたしは少し、夫を可愛く思った。
「あら?それ、どういうことかしら?」
「い、いや。疲れるんだろ?」
私は、彼に、黙って微笑をかえした。そう。疲れるわよ。とっても。
「でも・・・」
「ん?」
「あの子達、すごくなついてくれるの。なんか、うれしいのよね・・・。」
なんで、こんなこと言うんだろう。夫の言うとおり、この子供らに付き合うのは止めなければならないのに。
「そ、うか・・・」
夫は意外にあっさりと諦めた。わたしはこの時、夫は優しさからそう言ったのだと勘違いした。そして二人はまた無言で眺め続けた。何だか、変な感じだった。
あなたの妻は、小学生や中学生たちに犯されて、今日一日中身体を弄ばれたの。今あなたの目の前にいる子供たちに。
今の私は、あそこにいる、中学生の奴隷なのよ。あなたの妻は、あんな子供に征服されてるのよ・・・。
そんなことを思う自分に気が付いた。そして、身体を熱くさせている私。
これじゃ、いけない。いまの生活をまもらなければならない・・・。もう、やめよう。
ナオキが私を見た。それで、自分が彼のことをじっと見ていたことに気付いた。とっさに目を伏せてしまった。彼の目には、大人すら威圧するような光がある。彼の目を見たらダメだ・・・・。
やめなきゃ、やめなきゃ、やめなきゃ・・。私はステンレスの白い光を見ながら頭の中で呟き続けた。
第31章 六日目・8月11日 キンダン‐ショウジョウ2
なぜか夕食が終わる頃から落ち着かない。あの薬のせいだ。直感だが、そう断言できた。菜穂の奴、あれほど大丈夫かと言ったのに・・。
・・仕方ない。弱い自分のせいだ。今は、とにかく菜穂が欲しくてたまらない。片付けを手伝いながらも、食堂で動き回る菜穂の姿を追ってしまっている。
美津子に悟られるんじゃないかとひやひやしたが、幸い美津子もつかれていたらしく、いつもの気の強さがない。
これなら、大丈夫だ、と思った。
「俺、先に寝るわ。美津子は?休むか?」
先手を打って様子を探った。
「・・・う~ん・・そうしたいんだけど、子供たちにこの後も出る約束しちゃったのよね・・」
なんでそんなことにこだわるのか不思議だった。菜穂のことがなければ、あのナオキという中学生の存在を気にしているところだが、目の前の欲望が勝ってしまっていた。
“良し”・・正直なところ、そう思った。菜穂が、俺をちら、と見た。
「じゃ、先に帰ってる」
俺は先に厨房を出た。20分後、携帯にメールが入った。
“来ていいよ”
俺は、ソファーに丸めた毛布を置き、タオルケットで覆った。俺のほうが中学生みたいなじゃないか、と思った。
菜穂の部屋に行くには食堂の前を通らなければいけない。廊下から食堂を見ると、電気が消されて青い光がカーテンの隙間から漏れている。
ガキ共はミーティング中だ。時々、人影で青い光が遮られる。中の音は何も聞こえない。俺は素早くその前を通り過ぎて、菜穂の部屋に急いだ。
菜穂の部屋をノックする。返事はない。もう一度ノック。静かだ。勘弁してくれ。俺はドアノブを回した。ドアに鍵はかかっていなかった。
部屋の中は明るく、菜穂の姿は見えなかった。しかし、ベッドの布団が盛り上がっているのにすぐ気付いた。傍により、少しめくる。
菜穂は、それを合図に布団を自分で全部剥いだ。
彼女は、全裸でそこにいた。
「マスター・・欲しいんでしょ?」
真っ暗な夜だというのに、部屋中がオレンジ色になってしまう健康的で淫らな天使の声。彼女は焼けた裸の腹に、白と青のカプセルを置いた。
「さ、しよっ!?」
俺はそれを見て、躊躇した。彼女は崩さない笑みを投げかけてくる。
「俺は・・・・」
彼女はわらったまま首をかしげる。
「・・・・しないの??」
俺に選択の余地はなかった。菜穂に手を伸ばすだけで無限の快楽を手にすることができる。しかし、それは破滅への道であることをこの時はっきり悟った。
しかし、急すぎる事態と欲望は、考える覚悟と暇を俺に与えなかった。
「俺は・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・菜穂のむねのなかで、おれは最高の安楽を味わった。みっともなく涙が出た。そんな俺を、菜穂はやさしく撫でた。
コメント
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コメント (1)
これ懐かしいですね。
もっと続きがあって旦那視点でSEX中の奥さんと対面するシーンまで作者が書いていましたが、その後すぐにサイトごと消滅してしまいました。
あとこの作品とほぼ同じ文章表現の作品に「体験告白、嬲り犯される心」があります。
この作品の方が古いオリジナルで「体験告白、嬲り犯される心」の方がパクリの盗作です。