倒錯の夏
第28章 六日目・8月11日 アリジゴク
買い付けはいつも通りうまくいった。
普段なら食品卸の営業の奴なんかと昼飯まで済ませて帰ることが多いのだが、その日は商談が終わると早々に引き上げた。
目的は、菜穂だ。今日の午後、妻は子供らとバレーの練習に出かける予定だ、と菜穂が言っていた。
早く帰り着けば、それだけ菜穂との時間が増える。
俺は・・・年甲斐もなく菜穂にはまった。妻以外の女を、しかも19歳という若い肉体を久しぶりに味わった俺は、彼女の肉体に完全にはまった。
菜穂は、俺との情事の最中、普段の明るい雰囲気からは想像できないような乱れかたをする。どこで覚えたのか、彼女の動きと口での愛撫は、俺がこれまで経験してきた
どんな女よりも上を行っていた。はまってしまうのは当然だ、と開き直ってしまうくらい。
俺はペンションまでの1時間強、19歳の娘の虜になった正当な言い訳を何とか見つけ出そうとしながら、軽トラを運転した。
しかし・・・そんなものが見つかる訳はない。誰がどう見ても、俺がどんな言い訳をしたとしても、俺と菜穂の関係は不貞以外のなんでもないのだ。
ペンションに着いた。妙に静かだ。あいつらがいなくなるだけでこんなに違うものか。俺は菜穂を探した。食堂にはいなかった。事務所にもいない。風呂場にも。ひょっとして、
浜にバレーボールしに行きやがったのか?昨日あんなに約束したのに。・・・こんなこと思うようじゃあ、もう完全に振り回されてるな。俺は。
半分諦めかけて自宅に戻った。ラーメンでも食うか・・・・・と思いながら食堂に入ると、菜穂が台所に立っていた。ドアの音に気付いて、彼女がこっちを振り返る。
「おかえりなさ~い!!」
昨晩の乱れ方など、忘れてしまうようなオレンジ色の声だ。
「おう」
俺はそれだけ言うと、隣の居間に入り、ネクタイを取る。
「今日ね~~」
菜穂が台所から声をかけてきた。恋をしている俺は、彼女にそんな風に呼びかけられるだけで幸せを感じてしまう。
「なんだ?」
「奥さん、もう早くから浜にいっちゃったのよ」
「へぇ~」・・・よしよし。
「帰り、遅くなるかもしれないって」
「あのガキんちょ共のお世話がそんなに楽しいかね~~~・・」
何気なく応えた。なぜか、菜穂の返答に時間がかかった。
「菜穂~~?」
台所を覗いてみる。
「わっ!!!!!」
壁の影から、菜穂がいきなり抱きついてきた。
「今日は午後中、一緒にいれるね~~~~」
肩に回った菜穂の腕の重みがここちいい。甘い髪の匂いを嗅ぐと、俺はそのまま昇天しそうだった。
「ね、お昼、できたよ。たべよ」
「お、おう・・・・」
それだけしか言わず、いや、言えず、俺は菜穂の向かいに座って、用意されたうまそうなシチューに手をつけた。
「あっ・・・ああン・・・あっ・・あっ・・・・・」
菜穂は俺の上に跨って、自由奔放に腰を振った。昼飯が終わってから、俺たちはソファーの上でずっと交わり続けている。
褐色の肌。口を伸ばせば届く距離で、若く弾力のある巨乳が上下に揺れ続ける。口に含むにはちょうどいい大きさの乳首を甘く噛むと、菜穂の体に震えがおき、
ぎゅーんと熱くなる彼女のなかで俺のペニスはキツい締めを感じる。最高の体だ。
だが、菜穂は急に俺の体から離れた。
「どーした?」
彼女はソファーの下に置いたバッグの中を探っている。目的のものを探し当てると、笑顔で俺のほうを向いた。
「ジャーーーン」
そう言いながら俺の前に突き出す彼女の指には、例の小瓶が握られている。
「また、それ使うのか?」
いちおう、抵抗した。
「いいじゃん、昨日も、結局だーいマンゾクしてたのは誰ですかぁ?」
首をかしげる。・・・カワイイ。たしかに、その小瓶の中の液体の威力は凄かった。菜穂だけでなく、俺の快感も何十倍にも膨らんで、脳味噌と陰嚢の中身が全部引っこ抜かれそうな感覚になる。
「まあ、いいか。許す。」
「じゃ、今日はぁ・・・」菜穂はいきなり、白と青のカプセルを俺に見せた。「これもつかっちゃおう」
「お~い・・、なんか、あやしいな~~・・・」
「大丈夫。このビンのヤツより、数段イイってはなしよ」
怖い話を平気でする、見た目は健康そのもののこの娘が、時々わからなくなる。
「いいって・・・誰が・・」
「硬いこと言ってると、嫌いになるよ~~」
そう言って、菜穂は頬をぷっ、と膨らます。・・・カワイイ。
「オジサン、ってよんじゃうよ~~!!おじさんおじさんおじさ~~~ん!!」
思わず、笑ってしまう。可愛すぎるのだ。
「わかった。わかったよ、それ、飲めばいいのか?」
こくりとうなづく。
「・・・・大丈夫だな?」
「お~じさん、お~じさん、オジサンオジサン、おじさ~~ん!!!!」
「わかったよ、水、くれ!」
・・・・・・・・・あとは、最高のSEXの連続だった。生涯、こんな快感は感じたことがなかった。気が付くと、もう6時になろうとしている。それまで何回交わったか、何個のカプセルを
飲んだのか、すっかり覚えていない。今残っているのは、とてつもない快感の記憶と、目の前で日焼けした可愛らしい尻を出して眠る菜穂の姿だけだった。
ふ~っと大きくため息をついて起き上がる。菜穂を揺さぶってみる。起きない。
・・・いやな予感がして、俺は本気で菜穂を揺さぶった。
・・と、ようやく菜穂が自分で寝返りを打ち、「う~~~~ん」といいながら目を開けた。とりあえず、ホッとした。しかし時間がない。
「おい、菜穂、起きろ!もう6時だぞ!!」
菜穂の目も、パッチリ開いた。しかし、起き上がろうとしない。それどころか、急いでシャツを着始めた俺の腕に腕を絡めてきた。
「おい~~。やばいって!」
・・・言ってしまって、しくじったと思った。菜穂のほうを見ると、彼女はタオルケットを頭まで被ってしまった。
俺はもういちど溜息をついて、ふたたびタオルケットの中に戻った。横になって向き合った菜穂は、無言のままだ。
「・・・・やばい、って思ったのはホント。でも、いいや。菜穂と、こうしてる」
菜穂はにーっ、と笑った。・・よかった。
「なあ、」
「ん?」
「なんで、俺のことが、その、気に入ってんだ?」
「ないしょ」
「ま~た」
今度は、俺がふくれて見せた。・・見たくない。今の俺の顔。
「いいの。好きなものはすきなの。それでいいじゃん」
「ふ~~~ん」
「ほら、行かないと。じかんだよ」
「あ?!折角・・・」
「ほらほら!!」
若い娘に翻弄される自分も悪くない。俺はふたたび、シャツを着る気になった。
コメント
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コメント (1)
これ懐かしいですね。
もっと続きがあって旦那視点でSEX中の奥さんと対面するシーンまで作者が書いていましたが、その後すぐにサイトごと消滅してしまいました。
あとこの作品とほぼ同じ文章表現の作品に「体験告白、嬲り犯される心」があります。
この作品の方が古いオリジナルで「体験告白、嬲り犯される心」の方がパクリの盗作です。