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家庭訪問

 私はその日の午後、役所近くの喫茶店で、彼を待っていました。私が呼び出したのですが、同じ建物で働いていながら会うのは何年ぶりかなのです。いや、彼と私は互いに意識的に、顔を合わせないようにしていたと言っていいでしょう。
 喫茶店のドアが開く音がして、彼が入ってきました。小さい目をまじまじと開いて私を見ています。きっと、何事かと思っているのでしょう。わたしは、彼の名前を呼びました。
 「堀田さん、立ってないで、こちらへ・・・」
 堀田は、まじまじと私を見ながらテーブルにやって来て、座ってからも私から目をそらしませんでした。私も黙って、彼の顔を見返していました。業を煮やした掘田が、先に口を開きました。
 「い、いったい、何のようなのです?わざわざ呼び出して。ねえ、いったい・・・」
 「もうそろそろ、こうして普通に会って話をしてもいいでしょう。そう思っているんですよ、堀田さん」
 堀田は、当時、真面目で責任感のある男でした。今もそうでしょう。仕事ぶりを認められ出世している。だから、こうして焦っているんでしょう。私は、体格のいい堀田の、手をじっと見ました。

 

 私の妻が妊娠し、私たち夫婦が幸せの真只中にいた頃でした。私は、堀田が役所から数百万を横領しているのを知ったのです。私と堀田は、同じ事業計画の中にいたのですが、気づいたのは私だけでした。何故こんな事を?私と年も近く、人当たりのいい彼が、どうして?私が上に報告すれば、彼は一巻の終わりでした。彼は仕事ができて、私も何度も助けてもらった。いいやつだったのです。私は彼と話しをしました。

 いずれ明るみになると思っていたのかもしれません。堀田は観念したように、私に話してくれました。彼の弟が、数百万の借金を抱え、それに使ってしまったのだと、堀田は告白しました。
 堀田は私と似たような境遇でした。結婚し、子供も生まれ、新築の家も購入していたのです。彼自身もローンを背負っている。
 私は、堀田が横領した数百万を、経理資料の山の中に埋没させました。私が堀田をかばったのは、彼がいい人間で、私と似た境遇にいるという事もありました。しかしそれ以上に、黒い汚い闇の流通が渦巻いていて、私は嫌気がさしていたのです。
 当時はバブルに世間がおごっていました。私が属する組織もそうです。特定の業者との黒い繋がり。馬鹿高い接待や宴会。特に上の人間にいけばいくほど、職場の物、金の私物化が蔓延していました。堀田が横領した数百万に、誰も気づかないほど、麻痺していたのです。
 堀田の数百万を細かく分散させ、裏の流通の中に紛れ込ませることは簡単なことでした。上の人間も、ろくに資料を見ずに、許可印を押しました。
 私は堀田の横領を隠ぺいし、私も犯罪者になったのです。堀田は、私に頭を下げました。泣いて感謝の言葉を述べていました。それから私を避けるようになったのでしょう。ほとんど顔を合わすことなく、十年が経ちました。

 なぜ私は、堀田のところに行き着いたのか?私は堀田の手をじっと見ました。十年前と同じだ。ハンカチで汗を拭いている堀田に聞きました。
 「堀田君、弟さんは、あの事を知ってるのかい?」
 「いや、知らない。知らないよ。何も言ってないからね」
 「奥さんや、お子さんは、元気?」
 「え・・・?ああ、元気だよ。娘はもうすぐ中学に・・・え?」
 私はなぜか涙ぐんでしまって、堀田を見ました。あれから十年。私の知らない堀田の家族が成長している事に、不思議な感傷がわいたのです。
 「すまない・・・君との約束を破って一人だけ、話しをした事がある・・・」
 堀田が、私が見ていた手をグッと握りました。

 「私の恩師なんだ。私は子供の頃から剣道をやっていて、その剣道の師に、話したことがある。いや、相談したんだ。私はあの事で悩んで苦しんでいた。このままでいいのか?告白した方がいいんじゃないか?だから・・・信頼できた、尊敬していた先生に、打ち明けてみたんだ・・・」
 「峰垣先生に?」
 「ああ、そうだ。素晴らしい先生だった・・・」
 昔もそうだったが、なんと馬鹿正直な男でしょう。私が掛けた鎌に、疑いもせず答えたのです。
 
 「私の、ことは・・・」
 堀田が一瞬言葉につまり、大きく手を振りました。
 「言ってないさ、もちろん。助けてくれた人物がいるとは言ったけど。君の名前は言ってない」
 正直な男だ。目を泳がせている。言ったか言ってないか、自分でも自信がないのだろう。私は確信しました。堀田は、あの男に、私の名前を無意識に口走っている。堀田の、十年前から変わらない、竹刀だこの目立つ手のひらを見ながら、そう確信しました。

 「いってらっしゃい、あなた」
 「うん、行って来るよ」
 木曜日の朝。今日はあの男が、家庭訪問と称して、私の妻を貪りにやって来る日だ。私は決意していました。今日、けりをつける。あの男が私の家にたどり着く前に、襲撃する。
 私に一度、あの男は襲撃され、剣道の有段者らしく隙なく構えているに違いない。男自身、そう言っていた。しかしそれは、普段や妻を貪った後の話だ。この家に来る道中は、隙だらけに違いない。私の妻の、美しい肉体を思い浮かべながら、だらしなく歩いているに違いないのだ。

 「ねえ、あなた。今日は、健太の学校に授業参観に行くの。だから家を空けていますから」
 「!?!」
 
 私は、崩れた襲撃プランに戸惑いながら家を出ました。

 男への反撃の計画を変更せざる得なくなり、私は無性に胸騒ぎがしました。妻は、健太の授業参観へ行く。男も、まさか学校内で妻に手出しはしまい。いや・・・。あの男は、健太の昇段審査の時、体育館のどん帳の奥に妻を呼び出していたではないか。妻を抱きはしなかったものの、妻の白い肌をねぶっていたではないか。
 男はどうするつもりなのだ?授業参観後に我が家に来るつもりなのか?それならば私は、どこで何時に待ち構えていたらいい?待ち構えている時に、帰りの妻と出くわせはしないか?
 焦りが、私の足を健太の学校へと向かわせていました。

 私は、他の親御たちに混じって、学校の門をくぐりました。そして、体育館へと向かいました。体育館では、体育の授業参観が行われていました。私は体育館の裏へ回り、建物の端の鉄の扉を開いてみました。ギ・・・と錆びた音を立て、扉は開きました。私は中の暗がりへと入ったのです。緞帳の向こうからは、授業中の音が聞こえてくる。
 一度男はここへ妻を呼び出している。また、同じ事をするかもしれない。私は暗闇の中に腰掛け、目をつぶりました。男が先に、来るはずだ。

 妻は、どうして私をかばったのか・・・?私は、横領の隠ぺいについては後悔も罪の意識もない。仮に暴露されて、裁かれてもいいのに。妻が待っていてくれれば、それでいいのに。それにひょっとしたら、もう十年も前だ、時効があるかもしれない。そんな事を考えはしなかったのだろうか?どうして私に、何も言わなかったのだ・・・。
 妻の父親は定職につかない、ふらついた人間だったと聞かされた。だから、私から職を奪わせたくなかったのか?そうなら、馬鹿なことを・・・。私にとってもっとも恐ろしい事は、妻がいなくなることなのに。

 キーンコーンカーンコーン、キーン・・・
 チャイムが鳴り、体育館が静かになりました。それからどのくらい待ったでしょうか。来ない。家に戻ったほうがいいかもしれない。いや、家への路上で待っているべきか?とにかく私は、外へ出ました。校庭では子供たちが遊び、校門には帰る親たちが歩いていました。私もその流れに入って学校の外へ出ようとした時です。目の端に気になるものが入りました。

 学校の表玄関の駐車場の最も端に、大きなワゴン車が止めてあったのです。その向こうは大きな南洋の植物が一面に茂っていて、その先は塀になっていました。ワゴンと植物の間に、もう一台車がある気がしたのです。いやある。まるで、ワゴン車と、横と前後一面に茂っている南洋の植物、そして塀で隠されるように、止めてある。意図的にそんな止め方をしている様に見えました。しかもその、隠れている車は、小さく揺れているように見えたのです。
 
 キーンコーンカーン・・・
 またチャイムが鳴り、校庭から子供たちがいなくなりました。もう親たちもいない。私は、そのワゴン車に近づきながら、動悸が速くなるのを感じていました。そして、茂る植物の暗がりの中に入り、私は血の気が引きました。止めてあったのは、我が家の車だ。そして・・・後部座席には、あの男が座っていました。男はシートにのけぞって、何か黒いものを抱えている。私はもっと近づきました。

 男が抱えていたのは、男の股間の上をゆっくり上下する、妻の黒髪の頭だったのです。

 私は思わず、あたりを見回しました。そして、誰もいないことにホッとしたのです。そして、車内でのけぞっている男を、驚愕の思いで見つめました。なんという執念だ。なんという、妻への執着なんだ。
 ここは学校の敷地内だ。そして、授業参観に来校した教え子の母親を車の中に連れ込みフェラチオさせるなんて。なんという男だ。負けている・・・。私の反撃心は、男の執着心に負けている・・・。
 私はガクリと崩れるように、南洋の大木に寄りかかり、車内の淫行を除き見ました。しかしどうして妻は、車で来ているのだ?そうした疑問も、妻の献身ぶりに興奮してしまい、消えてしまったのです。

 妻は、後部シートの男の、大股開きの間に潜り込み、ズボンのチャックから突き出ている男の男根にむしゃぶりついていました。黒髪を耳の上で何度もかき上げながら、大きく小さく、ゆっくり早く、しごきながら、揉みながら、バリエーションをつけてしゃぶっているのです。
 男が何か言って、妻が顔を上げました。そして頷くと、サマーセーターをガバリと頭から抜き、白い上半身を露わにすると、両手を背中に回してブラのホックを外しているのです。男が満足そうに見つめる中、ボロンッと、妻の砲弾のような乳房がこぼれました。
 
 男が両手で妻の乳房を揉みしだき始め、妻が喉を反らしている。男がまた何か言いました。コクリと頷いた妻は、右手で男の男根を握り寄せ、左手で左の乳房を持ち上げると、イチゴ色の乳首に男の亀頭をグリグリと擦り付けだしたのです。今度は逆に握り変えて、している。また逆だ。
 
 妻が男の男根に唾液を糸のように垂らした。そして、豊満な両の乳房の間に、男を挟み込んだのです。寄せた乳房の谷間に唾液を垂らしながら、体を弾ませている妻。車が、縦に揺れだしました。男が妻の頬に手を当て、唇をなぞり、その男の指を妻が咥え、赤い舌を絡めている。妻はその赤い舌を長く伸ばして、乳房の谷間から顔を出している男の尿道を、チロチロとくすぐっている。
 男がシャツのボタンを外し、盛り上がった胸をはだけました。妻はパイズリをしながら、男の乳首を器用に舐めるのです。噛んだりもしている。男はしきりに仰け反っていました。

 なんという状況だ。校舎を見上げると、生徒や教員が歩いている。私はあまりの興奮に、寄り掛かっている大木に、勃起を擦り付けていたのです。

 車がより大きく揺れだしました。妻がスパートをする様に、大きく速く弾んでいる。そして、乳房をぎゅぎゅと寄せ弾みながら、男の表情を伺っているのです。男が口を大きく開けました。その瞬間を待っていたかのように、妻が乳房を離し、唇を大きく開いて男の男根を咥え込んだのです。
 妻は咥えながら、スパートのしごきを開始している。妻の右肩が、激しく小刻みに動いていて、男は前部座席のシートに額を押し付け、悶絶の表情をしていました。

 私は、ズボンの中で射精していました。荒い息と興奮で、校内の駐車場の車内の、教師と教え子の母親の顛末を見ていました。
 妻が顔を上げました。唇をつぐんで、男と見つめあっています。私はハッキリと見たのです。妻の喉仏が、ごくりと嚥下するのを。妻が、男が口内に放った精を、飲んだのです。

 男が、唇を手で覆っている妻を抱きしめました。そして、頬ずりをしながら、妻の耳元で何かささやいている。男がせわしなくシャツのボタンをはめ出しました。妻も急いだ様子でブラをつけ、サマーセーターを被っている。
 男がドアを開け外に出ました。私はサッと、木の陰に身を隠し、男を伺いました。男は辺りをうかがいながら、妻を外に引き出すと、運転座席にすばやく乗り込ませたのです。そして男は、ワゴン車に助手席側から乗り込み、窓から顔を出し妻に何か言うと、運転席側に移動しました。
 
 ワゴン車が移動し、妻が運転する我が家の車が、スー・・・ッと、校門から出て行きました。
 男は、ワゴンの運転席で、携帯電話を使っている。そして十数分じっとしていると、ワゴンを学校から出したのです。

 私は膝をつくように崩れ落ちました。
 淫行の後の学校の駐車場は、静かでした。
 あの妻の、美しいばかりの淫美な肢体は、恐ろしいばかりの興奮だった。反撃など・・・私はもう、あの男に負けているのではないか。

 『この家、気に入ったわ』
 『この車、素敵ね。色もいいわ』

 その時、マイホーム、マイカーを選んでいる時の、妻の笑顔が浮かびました。私は目の前の巨木を引っ掻きながら、立ち上がりました。よく見るとその大木は、根のほうが剥き出て腐っていました。
 
 まだだ・・・まだ・・・。

 私は、校門の外に走り出しました。
 その時、私はまだ判っていませんでした。妻の本当の姿を。

 あの男は、我が家に向かっている。私は、直感のままに走りました。あの男の凄まじい執念は、我が家の妻を追いかけている筈だ。私は喘ぎながら走り続けました。
 家の近くの公園横に、男が乗っていたワゴン車が路駐してあったのです。やっぱりだ。走りに走り、我が家が見えると、門扉が開きっぱなしになっているのです。
 荒い息で、家の前にたどり着きました。車はある。妻は帰っている。男は・・・?締め切られた雨戸。男は・・・中にいるはずだ。私は鍵を取り出しながら、玄関に進みました。しかし、鍵は開いていたのです。私はつばを飲み込み、ゆっくりとドアを開きました。

 「あはあんっ!」

 玄関に入り飛び込んできたのは、妻の絶叫でした。廊下の奥から響いて来る。歓喜の声。

 「うあんっ・あうんっ・・・ああっ・あんっ・あんっ・あんっ・・・」

 私は、目の前の有様にしばらく棒立ちになっていました。玄関には、男の靴が乱れて放り出され、居間へと続く廊下には、衣類が脱ぎ捨てられているのです。男のシャツ、ズボン、パンツ。妻のサマーセーター、スカート、ブラジャー。
 まるで、玄関から我慢できなくて、服を脱ぎながら奥へ進んで行ったような有様だったのです。

 「くはあっ!あうんっ!うふんっ!」

 棒立ちの私の耳に容赦なく届いてくる、妻の声。私は自分の靴を手に持って、家に上がりました。男と妻の、脱ぎ捨てられた下着の中を進み、居間のドアの前に立ちました。ドアが、揺れているようでした。ゆっくりと、開き、片目を当てました。

 

 「健太君のお母さんの尻肉っ、たまらない感触だっ。それえっ!それっそれっそれっ・・・」
 「はああ・・・だめえ・・・峰垣先生ぃ・・・駄目。ああんっ!ああっううっあはっ・・・」

 妻は、男に、バックで激しく突き攻められていたのです。男に、真っ白なお尻をがっしりと抱え込まれ、柔らかい肉に指を食い込まされている。汗だくの男が腰を突き出すたび、妻の豊満な乳房がドップンドップンと揺れまくる。止まった男が、貫いている妻のお尻を撫でだしました。

 「健太君のお母さんのバックスタイル。たまらない。薄い背中と細い腰から、この大きなお尻へのライン。それにこの吸い付くような肌。女の中の女ですな。しかし、学校でのお母さんは最高でしたよ。あんな上級なテクニックでされたら、いくら教師といえども学校の中といえども、我慢できませんよ」
 「はあはあはあ・・・あ、あれは・・・せ、先生が急に乗り込んできて・・はうう・・・」
 「そうでしたかな」
 「はあはあ・・・け、健太の新しい剣道具を渡すから、車で来いって言って・・・はあはあ・・・皆、そうするからって、でも私だけが車で・・・はああ・・・」
 「まだ届いていないのですよ、剣道具はね。お母さん、そう言ったでしょう」
 「端に止めるように言われて・・・はあふう・・・帰ろうと思ったら先生の車が塞いでいて、出るに出られなくて・・・はあふうはあ・・・そしたら先生が中に・・・」
 「嫌な予感がしてね、お母さん。例の体育館に呼ぼうと思ったんですけどな。どうも気が進まなくてね。しかしお母さんをあのまま帰せるわけがないでしょう。今日は家庭訪問に来られない予定だったんだ。授業参観の後は色々あってねえ、忙しいのですよ、教師は。しかし、あの目つきで咥えられたら、教師の面目が立ちませんよ。教え子の母親のお願いを無碍にするなんて、出来ませんよ。大丈夫、学校には携帯で体調が悪くなったと言ってある」
 「お願いなんて・・・していません・・・はあうう」
 「あのフェラ顔、パイズリ顔は、家庭訪問に来て欲しい、そう言っていたのでしょう」
 「違いま・・・ああっ!あんっ・あんっ・あんっ・・・」

 ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・ぱんっ・・・
 「あんっ・あんっ・あんっ・あんっ・・・」

 男の腰と妻の尻肉が、ぱんぱんと小気味いい音を立て。ぶつかり合っていました。男の、なんという持続力、持久力。そして破壊力。汗をだくだくと、腰を振り続ける男。
 「壊れるぅっ!壊れちゃうぅっ!」
 止まらない、男のピストン。鳴り響く肉の音。速さを増し、止まらない男のピストン。揺れる乳房。振り乱される黒髪。止まらない男の・・・
 「イクっイッちゃうっ!!」

 妻が絶叫し、
 「きゃおおっ!」
 私はまた、ドクドクと射精してしまっていたのです。

 力尽きたような妻。しかし私は、力尽きていないことに気がついていませんでした。妻の真っ白な肌が、ほんのりと赤く染まっていることに気づいていませんでした。

 「まだまだだ・・・健太君のお母さん、私はまだまだですよ」
 
 男は、突っ伏した妻をバックで貫きながら、妻の白いお尻を撫でたり、ペチペチと軽く叩いているのです。

 「はあはあ・・・もう・・・離して、先生・・・もう無理ですう・・・」
 「何が無理ですか、これだけ立派なお尻をしていて。健太君のお母さんの見事なお尻を見ていると、力がみなぎってくる。わかるでしょう、お母さんの中で、私のち○ぽが脈打ってるのが。今日は何度でも、お母さんをイカせてあげれますよ。まだまだぁ・・・」
 「もう・・・はあはあ・・・もたない・・・」
 「そんな事はないでしょう。お○んこを突かれながら、もっともっとと、ひくついていましたよ。健太君のお母さんの、アナルがっ!」
 「嫌あっ・・・」

 男は、貫いている妻の尻肉を、左右に思い切り開いたのです。目を血走らせて見ている。妻のアナルを・・・くそう・・・妻のアナル・・・私のものだ・・・私は拳を握り締めました・・・くそう・・・妻のアナルは私が初めて入って、これからも私しか入れない神聖な場所だ・・・くそう・・・それをあんな男に・・・くそう、足が動かない・・・震えている・・・男の太い腕、がっしりした腰・・・くそう・・・

 「そこだけは・・・止めて下さい、峰垣先生・・・」
 「ここは、使ったことは、あるのですかな?」
 「そんな事ありません。だからお願いです。そこだけは勘弁してください・・・先生」
 「この小さな穴だ、私の太いち○ぽでは、無理でしょうな」
 「ああ、良かった・・・ああんっ」

 男が、妻から出て、立ち上がりました。倒れこむように突っ伏す妻。

 「ところでお母さん、あの道具はどうしました?先週、お母さんが泣いて歓んだ、あの大人の道具ですよ」
 「あ、あんなもの・・・捨てました」
 「ほう・・・そうですか・・・」

 枕に顔を伏せてそう言う妻を尻目に、男は自分の鞄を開けて、ごそごそと何かを取り出したのです。私はそれを見て、尻餅をつくように座り込んでしまいました。
 なんという・・・男の執念だ。男は、うつ伏せの妻をひっくり返し、細腰をがっしりと動けないようににつかんだのです。それを目にした妻は、ギョッとした。

 「ひっ・・・な、何をするんですか・・・」
 「あの手の店に入ったのは初めてでしたよ。あんな経験も、お母さんのおかげですな。アナル処女にはこれがいいと、店主に薦められましてな。アナルパール、と言うのですよ」
 「ひい・・・やめて・・・」
 「どれまずは、お母さんのぐしょぐしょの愛液で・・・」
 「ああっ・・・止めて・・・ああっ・・・嫌あっ・・・」

 取っ手の部分から、大きな銀色のビー玉の様なものがいくつも連なった、それ。男は取っ手を握り、先の部分を、妻の濡れた女性部にこすり付けているのです。そして、先端を妻のアナルに当てがった。

 「たっぷりとヌルヌルにしたから、大丈夫ですよ。さあ、怖がらないで力を抜いて」
 「いや先生やめて入れない・・・ああううっ・・・はあうう・・・」

 妻のアナルに、一つ目がめり込んだ。二つ目、三つ目・・・。くそうっ!私は何を勃起しているのだっ!くそうっ!
 道具とはいえ、大事な私の妻のアナルに・・・くそうっ!男の逞しい肩、割れた腹筋・・・くそう・・・足が動かない、震えて動かない、くそうっ!

 「さすが健太君のお母さんだ、全部入りましたよ。凄い眺めだ・・・ぎゅうぎゅうと、締めている・・・これが私のち○ぽだと思うと・・・無理だと言ったのは、まだ私のは今日は無理だという意味ですよっ。じっくりほぐしてからでないと。大事な教え子の母親だ、傷めてはいけませんからなあ」
 「はああ・・・あはあ・・・うふう・・・」
 「おおっ、腰が動いていますよ、お母さん。さすがだ・・・今日は辛くて入れるだけだと思っていたが、これも使えそうだ。お母さんの大好きな、バイブ機能も付いているのですよ。ふふふ・・・それ」
 「んはあぁっ!」

 男が取っ手のスイッチをカチッと押すと、妻の体が弾けました。ブッーン・・・と、バイブレーションの音が響き、妻の体が弓反り、叫んでいました。
 「変になっちゃうぅっ!」
 妻の腰がくねり、今度は男が叫びました。
 「たまらない女だ、健太君のお母さんはっ!くそうっ!みなぎってくるっ!前を使わせてもらいますよ、お母さんっ!それえっ!」
 「ふぐうっ!」
 男は妻を抱え上げ、アナルに道具を入れたままの妻を、座位で貫いたのです。
 「健太君のお母さんっ!」
 「ひいっ!凄いぃっ峰垣先生ぃっ!あひいぃっ!」

 

 その壮絶さは、自身の勃起をしごき続ける私を飲み込んでいきました。私は射精しました。それでも興奮が収まらないのです。また、勃ってきました。

 男は座位で妻を抱きしめ、腰をゆっくりと使いながら、妻のお尻に刺さっている道具を、ズボズボと出し入れしているのです。
 「くひいぃっ!あひいぃっ!」
 後ろに道具、前に男の男根。二穴を埋められた妻は、男の背にしがみついていました。そして、飲み込まれていたのは、私だけではありませんでした。

 妻は男をも、飲み込んでいったのです。

 「ぐううっ、なんて締まりだっ・・・これ程とは・・・くそお」
 「あひいっ!いいっ!いいのおっ!」
 「健太君のお母さんっ!そんなに動かないでっ!・・・いかんっ!」

 男が、妻のアナルを刺している道具から手を離しました。妻はそれを機に、男の首に両手を回して、腰を激しく振り出したのです。男が歯を食いしばっている。
 妻の激しい腰使いでか、妻のアナルの収縮でか、その両方でか・・・。道具が妻のアナルから、ヌポンッと、飛び出すように抜け、床に落ちました。それでも妻は腰を振り続ける。止まらない・・・

 「くそおっ!お母さんっ!仕方がない、約束だっ!どいてください、外に出しますよっ!・・・ああっお母さんっどうしてっ!?どいてといってるのにっ・・ぐおお・・・」
 止まらない。妻のくびれた腰が、止まらない。滑るように、まわすように、叩きつけるように、止まらない。妻の細腰だけが機械化されたように、動き振り続けられるのです。
 「先にイクようなら中出ししないと約束したでしょう。私も教師だ、守りますよっ!うおお・・・どうして!?健太君のお母さんっ!!」

 美しい・・・私は、見とれていました。男の胡坐の上で、髪を振り乱し、汗を飛び散らせ、腰を使いまくる妻。男はもう、射精をこらえるのが精一杯の風に、妻に抱きついている。妻に、飲み込まれている。
 美しい・・・その妻が、叫びました。

 「可哀想な人おっ!」
 「駄目だっ出るぅっ!」
 「恨んでなんかいなかったのにぃっ!」
 「うぐうっ!!」

 男が呻き、痙攣しだした。妻に抱きついて射精している。それでも止まらない妻の細腰。苦悶する男。妻が、また叫びました。

 「可哀想な人ぉっ!」
 「ぐうぅ・・・うぐうぅ・・・」

 まるで電池が切れたかのように、妻の腰の動きが、ゆるやかになり、ようやく止まりました。男と妻はもつれあったまま、倒れました。先に起き上がったのは、男だ。
 男は、ハアハアと荒い息で、妻を見下ろしていました。下半身がふらついている。だらんと垂れている男の男根。

 「健太君のお母さん・・・少しアナルをほぐしただけなのに、あんなにも締りが変わるなんて・・・ふふふ、しかしまた、遣り甲斐が出てきましたよ。私とお母さんなら、素晴らしいセックスライフが築けそうだ。そう思ってるんじゃありませんか?だから抜かなかったのでしょう。ふふふ、今度はお母さんを先にイカせれるように、鍛えなおしだ。まったくお母さんは、たまらない女だ」

 男はしゃがむと、妻の細いあごを持ち上げました。
 「しかし、可哀想とは、誰のことです?どういう意味です?まさか私ではないでしょうね?」
 何も言わず目をつむる妻を、男は離し、
 「まあいいでしょう。来週の家庭訪問では、私の凄さがもっとわかるはずだ。いいですか?来週は、お母さんのアナルを、もらいますよ。じっくりと、アナルを開発してあげましょう。この道具は置いていきます。しっかりほぐしておいてください。宿題ですよ、教師の私から教え子の母親に、大人の宿題です。ふふふふ・・・」

 男が着替え、出て行くそぶりを見せた時、私は二階に上がりました。

 夜。私は、堀田に携帯電話をした。
 「な、何のようですか・・・」
 「堀田さん、あなたは今でも、峰垣さんに、会うのですか?」
 「ど、どうして・・・」
 「どっちなんです」
 「あ、会いますよ・・・」

 私の異様な雰囲気に推されたのか、堀田の声が震えていました。
 「今度、いつ会うのです?」
 「・・・それは・・・」
 「堀田さん」
 「偶然ですが、今日、今から会います」
 「どこで?」

 私は、数十メートル先に見える、我が家の灯りを見ながら、携帯電話を閉じました。

 私は、我が家から数十メートル離れたゴミ捨て場で、堀田にかけていた携帯電話を閉じました。私の決意は、ゴミ捨て場に捨てられているそれを見た時、固まったと言っていいでしょう。
 男が妻に残していった、アナル挿入具が、バラバラに壊されて捨てられている。妻がやったんだ。

 妻のアナル・・・絶対に渡すものか。私のものだ。
 私の内側にもこんなものがあるのか・・・私は驚いていました。私の中で、恐ろしい顔をした野獣が牙を剥いているのです。
 私の内側に混在する、男に爪を向ける野獣と、妻への感情。
 妻を幸せにしたい・・・私がっ!あの男では決してないっ!私だっ!

 『可哀想な人ぉっ!』
 『恨んでなんかいなかったのにぃっ!』

 妻は男にまたがり腰を振りながら、そう叫んでいた。その時私は、妻の本当の姿を見たような気がしたのです。妻が叫んだ言葉は、初めて聞いた言葉ではなかった・・・。
 妻は、私との結婚生活で、自分の生い立ちを少しずつ話してくれました。そして決まって、妻の両親のことに行き着くのです。暴れ者で酒乱で、金を持ち出すギャンブル狂いの父親。哀れなほどその父親の言いなりで、殴られてばかりいる母親。学校もまともに出してくれなかった両親。病気で疲れきっていた母親は、結婚の報告をした後、急に亡くなってしまった。私が会う前だった。孫の顔を見せたかったのにと、妻は葬式で泣いた。その時、父親はいなかった。

 多額の借金を家族に残して、数年前に失踪していたのだ。水商売でその借金を半分以上返済していた妻は、私と結婚してからも、私に謝りながら、私の給料から返済していた。自分の家族に不幸の苦しみの原因を作った父親。その父親の話になると、妻は不思議と、穏やかな顔になった。そしてこう言うのです。

 『父は、可哀想な人なの・・・恨んでなんかいなかったのに、何処かに行ってしまって・・・孫の顔を見たら、変われるかもしれないのに・・・何処にいるのかしら?可哀想な人・・・。でも、こんな気持ちになれるのも、あなたと結婚して、健太を産んで、幸せな家を持てたからだわ。有り難うあなた。私は今幸せよ。あなたのおかげで父の借金も全て返せた。あなたに何かあったら、今度は私が、守ってみせます。何をしてでも・・・』

 妻は、私のどうでもいい、社会的立場を守るため、あの男に肉体をむさぼられだした。そしていつの間にか、自分の暗い過去にも貪られている。あの男に、父親の影を見ているのだろうか?
 私を守るため、可哀想な父親を哀れむ心で、女の肉体をあの男にぶつけて・・・妻の肉体はもう限界に違いない。妻はもう、壊れてしまう。

 私は、もう一度我が家の灯りを見てから、家とは反対の方向に歩き出しました。

 堀田が話していた、駅の近くの飲み屋街を、離れたタクシー乗り場から見ていました。そして、一軒の飲み屋から堀田が出てきた。続いて、あの男も、出てきた。
 私は離れて、しかし決して目をそらさず、二人の後を追いました。堀田が男に頭を下げて、男と別れた。タクシーをつかまえたのです。男は堀田を見送ると、また飲み屋街を歩き出した。そして、雑居ビルに入ったのです。ビルの中のスナックにでも入るつもりなのだろう。私はエレベーターが8階で止まるのを確認すると、1階に降りてきたエレベーターに乗り込みました。そして、8階を押した。
 
 チンッ・・・エレベーターのドアが開くと、私はポケットに手を入れました。中に忍ばせているものを握り締め、そして、呆然としました。8階の飲み屋やスナックの看板は、どれも明かりがついていない。それどころか人気がまったく感じられなかったのです。この階の店はすべて、潰れている。廃墟の階だ。廊下の奥の非常階段のドアが半分開いて外の夜が見えている。私はドアに歩いていき、外の様子を伺おうとしました。その時・・・

 背後に人が立った気配がしたのです。背筋に冷たい汗が流れました。追い詰められようとしていたのは、私の方かも知れない・・・そう思って鳥肌が立ちました。

 私の前方の床に、私以外の大きな影が映りました。人影だっ!その人影の両腕が、ぐわっと上に挙がったのです。バリバリと、ビニールの音がしました。そして、私の人生で初めての、死闘が始まったのです。

 頭から何か被せられ、視界が白く遮られました。コンビニの袋だっ!そう思った瞬間、物凄い力で壁に叩きつけられました。側頭部を強く打って、床に倒れこんだ私の胸に、強い衝撃が打ち付けられてくる。
 「うおおぉ・・・」
 呻き必死で頭から袋を取った私の目に、足を持ち上げる、あの男が映りました。ドカッ!ドカッ!ドカッ!男は持ち上げた足の裏を、私の頭や腹を狙って叩きつけるのです。頭を防ぐ腕の間から男の顔を見ました。真っ赤な獣の目だ。殺意の塊だ。その直後、私の内の野獣が吠えました。
 「うおおおっ!!」
 男の腰にぶつかり、しがみつきました。そして、ポケットの中のモノをつかんだのです。

 『だめえぇっ!』

 胸の中に、妻の声が響きました。頭の中に、妻の顔が閃きました。悲しそうな顔で頭を振っている妻の顔でした。

 ポケットの中のモノを離した瞬間、腹に男の膝がめり込んだのです。
 「うげえぇ・・・」
 ドカッ!ぐしゃっ!
 崩れ落ちた私の後頭部に、男の足が落ちてきました。意識が薄らいできた私の首を締めるようにつかんだ男は、私の体を非常階段のドアの外に向かって放り投げたのです。
 ガンッ!ガンッ!
 非常階段の鉄の踊り場の柵に打ち付けられた私の目に、目がくらむ様な階下が見えました。8階・・・。

 ドカッ!どすっ!ドカッ!
 再び足の裏を打ち下ろす男。男は、最初から私をここに誘いこむつもりだったのだ・・・。8階・・・この高さなら、十分に私を・・・。私が気を失った後に、私を抱え上げ・・・。
 朦朧とする意識の中に、今日の昼間、学校の駐車場の車内で、絡み合う妻と男を覗き見するため身を隠していた、南洋の巨木が浮かび上がりました。その巨木の根っこ・・・地面から浮き出て腐っていた・・・。

 男が、必要以上に足を高く持ち上げたのです。もう私に抵抗の意思がなくなったと思ったのでしょうか?巨木の根っこに被さる様に、男の、持ち上げていない方の足に目が行きました。私の内の野獣が、また吠えました。
 「おおおぉっ!!」
 私は、男の足首に肩からぶつかり、思いきり体をひねりました。男の巨体が、ぐらついて、男が始めて、声を上げました。
 「うわあっ!!」

 ガシャンッ!ドガンッ!ガガンッ!
 男の巨体が、階段を転げ落ちていき、下の踊り場に叩きつけられました。私は這いながらビルの中に入り、フロア全体を見回し、そして、照明の電源を見つけ、スイッチを切ったのです。
 パッ・・・と、フロアが暗くなりました。非常口の場所を示す緑の電灯だけがほの暗く点いている。カカン・・カカン・・カカン・・・非常階段を上ってくる音が響きます。男が、中に入ってきた。

 ほの暗い照明に照らされた男の額が、黒くなっている。血だ。そして、落ちていたのでしょうか?破れた傘を手にしていたのです。男はその長い傘を、竹刀のように正中に構えた。顔の半分を血に染めながら、私を見据えている。隙がない・・・。
 私は、勝てるのか・・・?あの男に勝って、家に、妻の元に帰れるのか・・・?その時、男の視線が、驚いたように、私の後ろに注がれたのです。

 「せやあぁっ!!」
 けたたましい雄たけびとともに、黒い人影が私の後ろから飛び出し、男に向かっていきました。棒を手にしている。そしてその棒を、男に振り下ろした。
 「ひええぇっ!」
 男が叫び、振り下ろされる棒を傘で受けた。そして、数秒間、つばぜり合いをした後、
 「ふおおっ!」
 男が、相手を壁に叩き付けたのです。それから傘の先で、相手の胸の辺りを突いた!
 「ぐうう・・・うううぅ・・・」

 苦しそうにうなるその相手を背に、男は再び私の方を向きました。浮かび上がる男の恐ろしい目。私はその瞬間、スイッチを押しました。パッ!急に点いた照明に、男が目を細め、私から顔をそむけたのです。
 私の内の野獣の、最後の咆哮。
 「うぅおおぉっ!!!」

 私は頭から、男に突進しました。男が傘を上段に振り上げたのが、私に幸いしました。私の頭が、男の顎にぶつかり、グシャッ!と、骨が砕ける音がし、私は吠えながら、男の巨体を押し続けました。
 「うおおっ!おおおっ!」

 私は男を、非常階段に押し出し、柵に背中をぶつけて呻いた男を思いきり振り回しました。そして、私の体が浮き上がりました。
 ガガンッ・ガガンッ・ガガンッ・・・
 私と男は、もつれながら階段を転がりました。いや、私は男に飛び乗っていたので、衝撃を受けたのは男の方だったのです。
 「ううぅぅ・・・」
 踊り場まで落ちた私と男。男が、血だらけの顔を持ち上げました。手のひらを広げて、私に向かってくる。そう思った時、男は泡を噴いて、ガクリと崩れ落ちたのです。その後、じっと動かない。

 「はあはあはあはあ・・・」
 私は荒い息を吐きながら、柵にしがみつき、立ち上がり、うつ伏せで動かない男を見下ろしました。男の背中は、服が破れ、血まみれになっている。そこら辺に転がっているビールビンの破片や尖った石ころで負傷したのだろう。私はポケットに手を入れ、中のナイフをつかみました。

 『あなた・・・』
 また、妻の悲しそうな顔が浮かびました。

 「くそう・・・」
 ポケットから出さずに、私はナイフをぐっと握り締めました。その時、
 「大丈夫ですか?」
 頭上から、人の声がして、
 「もう、止めて下さい」
 と、階段を下りてきたのです。

 「堀田さん・・・」

 私の背後から飛び出し、男に棒を持って向かっていったのは、堀田だったのか・・・。だが私は驚きは出来ませんでした。男との死闘の後で、魂が抜けた抜け殻のようになっていたのです。ただ堀田を見ている、そんな感じでした。だから私は、堀田の言うなりになってしまっていました。
 堀田は、左の肩の下辺りを手で押さえていました。血がにじんでいる。男に傘の先で突かれた箇所だ。堀田は、しっかりとした口調で、てきぱきと動いていました。周りに人の目がないか確認して、倒れている男の元に屈み、男の状態を見ながら、携帯電話で、救急車を呼んだのです。そして、私の腕をつかんで、
 「さあ、もう行きましょう。お願いです、私の言う通りにして下さい。ここを離れるんです。さあっ」
 私は、堀田に腕を引かれ、引きずられるように歩きました。堀田と私が雑居ビルから出て、人込みに入った時、救急車のサイレンが聞こえてきました。その時堀田が、先生・・・、と呟いたのを覚えています。
 
 いつの間にか、私は職場の役所へと連れられてきていたのです。堀田は、通用口の扉を鍵で開け、私を引っ張って中に入った。私は、堀田の課の部屋へと連れて行かれた。私をデスクに座らせた堀田は、私にコーヒーを入れ、自分も座ったのです。コーヒーを一口すすった時やっと、抜け殻だった気持ちがはっきりとしてきました。やっと、こう言う事が出来たのです。
 「堀田さん、どうしてあなたが、あの場にいたのです?

 

 
 「懐かしいですね。十年前も、ここでこうして、話し合っていた。あなたと私は」
 「え?」
 「私が横領した金を、どうするか、頭を使ってくれていたじゃないですか。夜ここで二人で話しながら」
 「・・・・・・」
 「申し訳ないことをしました。私はあなたの名前を言ってないと言ったが、はっきりした自信がないのです。ただもう夢中で、先生に相談していたから。だから・・・きっとあなたの名前を口走ったんだ。そうでないと、あなたが峰垣先生の名前を知ってる筈がない。あなたはあの時、私を呼び出した時、峰垣先生の事を、はっきりと言ったでしょう。私は馬鹿ですよ。すぐに気づかないんだから。後でハッと気づいたのです。・・・・・・あなたも、脅されていたんですね、峰垣先生に」
 「脅す・・・?あなたも・・・?」
 「そうです。金を強要されていたのでしょう、私と同じで。それでとうとう我慢できなくなって、今夜、先生の居場所を聞くような電話をしてきたのでしょう。私はその時先生といたのです。要求されていた金を渡すために会っていたのですよ。私は、先生に、これからあなたと会うことになったと言った。あの雑居ビルの8階の店で会うのだが、金がもうないので、いったん家に戻って出直してくると言って、先生と別れたのです。私は、あの雑居ビルの8階が廃墟なのを知っていた。あなたもそうだが、先生もびっくりしたでしょうね。私は先生とあなたが、あそこで鉢合わせて・・・あなたの電話の口調は、切羽詰っていた・・・だから期待していたのです、あなたが先生を・・・だけど、堪えられなくなって、戻ってしまった・・・先生は私の恩人なのに・・・」
 「堀田さん・・・あんた・・・」

 堀田は、苦しそうに頭をかきむしりながら、話しつづけた。まるで教会でざんげをするように、長々としゃべり続けたのです。

 「私が先生に、横領した過去がある事を相談した時、先生は、過去の過ちは忘れて、これからは世の中の為に精一杯働けと言われた。私はその言葉に励まされて懸命に働きましたよ。それからしばらくして、先生は私に、金の工面を願ってくるようになったのです。道場の運営費用が足りないとか言っていました。はじめは小額だったのです。それが次第に・・・私が難色を示すと、私の過去の事を、知られては困るだろうと・・・はっきり脅したのです。あの先生がっ!尊敬する恩人がっ!」

 堀田は立ち上がって、窓のほうへ歩いていき、外を眺めた。そしてまた、話しつづけるのです。窓に映る堀田の顔は、歪んでいました。

 「私はどうしようもないゴロツキでしてね。ある時、傷害事件の冤罪を被せられたのです。どうせお前がやったのだろうと、まわりの大人は、白い目で私を見ましたよ。しかし先生だけは私を信じてくれた。私の冤罪を晴らそうと、四方八方、足を棒にして飛び回ってくれました。私を先生の家にかくまってくれたりしてね、その時奥さんにも、本当に世話になった。私の無実がわかったとき、優しい奥さんは、泣いてくれましたよ・・・くっ・・・」

 堀田が、窓ガラスに額をコンッとぶつけた。歯を食いしばって、涙声に鳴り出した。話しつづける。

 「そんな先生がどうして私に金の脅迫を?私は金を払い続けながら気づいたのです。先生の家に、奥さんの姿が見えなくなっているのを。それで独自に調べました。興信所を使ったのです。奥さんは、男を作って、先生の元を離れていた。それで、やけになって、飲み代に使う金かと思いました。でも違うのです。奥さんは、やがて男とも分かれた。そして、転々と、住む所を変えているようなのです。先生は、そんな奥さんの生活を、興信所に調べさせて毎月報告させているのです。ずっと、いまでも。奥さんの毎日の生活、健康状況・・・とても教員の給料では、興信所の請求額に応じきれるものじゃない。それで、私や、あなたに・・・あなたもそうでしょうっ!私と同じで、多額の金を先生に要求されることに疲れたんでしょうっ!私にだって家族があるんだっ!先生の気持ちは判るがっ!いつまでも・・・。あなたもそうでしょうっ!ええっ!?それで先生をつけ狙ったのでしょうが!?」

 私の方を向いた堀田は、笑っていました。あの男、峰垣に苦しめられていたのが、自分だけじゃないという安堵で笑っていたのか?それとも、あの男、峰垣を最後に叩き落したのが、自分じゃなくお前だという責任転嫁なのか?たぶん両方だろう・・・。
 私があの男に奪われ続けたのは、金なんかじゃない。金で変えられるものじゃない。

 「私が先生に飛び掛っていったのは、あなたじゃ無理だと判断したからだ。見たでしょう、私が吹き飛ばされたのを。もし私が出なければ、あなたは先生に・・・。そうなれば、これからは、私一人でどうやって・・・」
 「どうして私を、最後に止めたんだ?私はナイフを持っていたんだぞ」
 「私は苦しいんだっ!先生は尊敬する恩人だっ!でも昔の先生じゃないっ!くそうっ!」

 堀田は笑っているんじゃなくて、苦痛で歪みすぎているんだ・・・。そう思いながら私は席を立ちました。堀田はうずくまって、頭を抱えながら鼻をすすっていた。

 我が家の灯りが見える、ゴミ捨て場まで来て、ポケットから取り出したナイフを捨てました。すると途端に、ボロボロと涙が出てきたのです。そうだ、このナイフを使わなくて良かった。もう、あの灯りの元に帰れなくなるところだったじゃないか。妻の声が止めてくれて良かった。
 私は、さっきの堀田のようにグジュグジュと鼻をすすりながら、我が家の門の前まで辿り着きました。門扉をキイ・・・と開いた時、玄関の明かりがポッと灯ったのです。妻だ。

 そうだ。妻は結婚してから、私を出迎えてくれなかったことは一度もない。そう思いながら、開く玄関をじっと見ていました。

 男は、家庭訪問に現れなくなった。堀田からの連絡で、男が入院していることを知りました。かなりの重症らしい。脊髄を損傷して、車イスで移動しているらしいが、立って歩けるようになるには、長期間のリハビリが必要らしい。
 学校、剣道道場でも大きな話題になった。あの立派な先生が、酔っ払って非常階段から転落したと、動揺する人が少なくなかった。私の息子、健太もその一人だ。

 あの男は、私と堀田のことは口にしていない。自分ひとりでやった過失という事になっている。私の家に、平穏な日常が戻ってきました。
 日常は平穏だが・・・なんだこの、ぐじゃぐじゃに絡まりあって整理しきれない苛立ちは。何が起こっていたんだ・・・。

 堀田は、金をゆすり続けるあの男の処分を私に押し付けようとしていた。恩人であり、ゆすり魔である男に、葛藤していた。

 あの男、峰垣は、調査費の為に教え子をゆすってまでして、家を出た夫人の日常を興信所に調べさせていた。それほど未練がありながら、なぜ追いかけなかったのだろうか?厳格な男のプライドなのか?戻ってきてくれと言えないはけ口を、私の妻に向けたのか?私の妻の肉体をむさぼり奪い続けることで、本当に必要な夫人の存在を忘れようとしていたのか。
 愚かな男だ。忘れる事が出来るわけがないだろう。愛するパートナーを、忘れることなんて。可哀想な男だ・・・。

 可哀想な男・・・。妻は、男の事情を知らなくても、そんな匂いを自分の父親と重ね合わせてしまっていたのか?家族の愛を受けられずに、放蕩していた父親と、夫人に捨てられた男。
 私を助けるために、肉体を男に捧げたのは、そうに違いない。最初はそうに違いない。それから、男に哀れなほどの影を見つけ、言いなりな献身を奉仕していたのか?しかし妻は、同時に、女として目覚めていっていた。私はそれを目の当たりにした。
 男の猛々しさ、手練手管、持続力に、悶え喘ぎ、男と絡み合い、性器をむさぼり合い、絶叫し、歓喜していた。最後の家庭訪問で見た、妻の腰を振りまくり、男をも圧倒していた姿は、女の淫乱な開花の姿として、私の脳裏に焼きついてしまっている。

 妻の肉体を開花させた男・・・私はその男と戦って勝った。勝って妻の元に戻った。妻を取り戻した。本当に、そうなのだろうか・・・?

 「あなた、もう下げていい?」
 「ああ、ご馳走さま。美味しかったよ」
 平穏な日々のある夜、夕食後、私は妻と向き合いました。私に呼ばれた妻は、少し怯えていた。

 「な、何?は、話って・・・」
 「実は、今の仕事を辞めようと思っているんだ」
 「ええっ?」

 妻が、肉体を犠牲にしてまで守ろうとしてくれた、私の立場。私はそれを、捨て去りたかった。そうでもしないと、頭にこびりついた、妻の躍動する白い肉体が消せないと思ったのだ。

 「そんな、いきなり・・・」
 「もう、決めたんだ」
 「辞めて、どうするの?それから・・・」
 「まだ判らない。しばらく、何もしたくないんだ。ゆっくり、旅でもしてもいいと思っている」
 「・・・・・・」

 妻が青ざめて、うつむきました。唇を噛んでいる。怒りのように見えました。突然、顔を上げ、
 「馬鹿っ!!」
 と叫んで、立ち上がって、出て行ってしまったのです。せっかく私が守ったものを・・・そう思っているのだろうか?・・・でも、仕方ないじゃないか・・・

 翌朝未明、私は隣のベッドで寝る妻を起こさないように、そっと起き上がり、寝室を出て、かばん一つで家を出ました。そっと。
 振り返らずにバス停に行き、始発に乗り込んだ。辞表は、帰ってから出せばいいだろう。どこか、行った事のない所へしばらく行くのだ。だが、こんな事をしても、無意味だ。虚しいだけだ。でもどうしようもない。駅に向かうバスの中で、私はそう思っていました。

 そんな私の虚しい灰色の壁を蹴飛ばし突き破ったのは、妻だったのです。私の妻だったのです。

 バスの左側の車線を、物凄いスピードでタクシーが追い越していきました。私は何気なくそれをみていました。そしてしばらくすると、バスがクラクションを鳴らして、急ブレーキを踏んだのです。まばらな車内。もし立っている乗客がいれば、吹き飛んでいたでしょう。

 「何やってんだっ、あんたっ!!危ないだろうっ!!」

 運転手が窓から顔を出し、叫んでいる。乗降口の扉が、ドンッドンッと激しい音を立てていました。誰かが叩いているのか?車内が騒然としました。プシューと扉が開きました。

 「おいっ!ふざけるなよ、あんたっ!いったい・・・うわっ!」

 私は愕然としました。バスに勢いよく乗り込んできたのは、妻だったのです。腹を立て立ち上がろうとした運転手を、妻はバックを振り回してひるませると、私の元に走ってきました。目が釣りあがって必死の形相でした。

 「あなたっ!!降りてっ!お願いっ!!来てっ!!」

 妻は私の手をとり、逃げるように走りました。走り続け、止まった時、私の襟首をつかんできたのです。
 「どうしてようっ!?あなたっ!!」
 「・・・・・・」
 「何で出ていくのようっ!!」
 「しょうがないんだっ!」
 「来てっ!!」

 妻は私を、建物の中に押し込みました。そこはラブホテルだった。私たちはホテル街に入り込んでいたのです。妻は小さな窓から鍵を受け取り、私をエレベーターに押し込んだ。エレベーターを降りてランプの点灯する番号の部屋に私を突き入れると、また叫びました。

 「私を一人にしないでようっ!あなたがいないと、生きていけないっ!何もいらないっ!あんな家なんか要らないからっ!あなただけは何処にも行かないでっ!父みたいになりたくないっ!なりたくないのぉっ!あの男みたいにぃっ!!」
 「!!!」

 妻が私に、あの男のことを口にした。無意識に違いないが、口にした。血が沸騰しました。妻の歓喜する肉体がよみがえり、激しく嫉妬が燃え上がりました。男との死闘で吠えていた私の内の野獣が、今度は妻に向かって吠えました。

 「うおおっ!」
 「あなたぁっ!」

 私は妻をベッドになぎ倒し、妻を転がしながら服を脱がせました。ブラジャーを剥ぎ取り、パンティ-をむしり取りました。白く美しく柔らかい乳房につかみかかり、イチゴ色の乳首に噛み付きました。

 「あはあっ!あなたぁっ!」
 「お前は俺の妻だぁっ!しゃぶれぇっ!」
 「あなたぁっ・・・うぷうっ・・・」

 妻を抱き起こし、唇に勃起をねじ込みました。喉に向かって腰を振りたてる。妻は涙を流し涎を垂らしながら、それに応じる。

 「お前は俺の妻だっ!判るかっ!」
 「うぷっ・・・はぷっ・・・くぷうっ・・・」

 妻は、私の勃起を咥えながら、頭をコクリコクリと振り、わかっていますわかっていますと、意思を示す。激しくフェラチオしながら、目を私から反らさない。

 「ぷっはあ・・・あなたぁ・・むぷう・・・」
 「出るぅっ!」
 「むふうっ!」

 妻のすぼまる頬の中で、ドクドクとはじける私の勃起を、妻は吸い続ける。目を反らさない私と妻。私の精をごくりと飲み込んだ妻は、私を呼びながら私の腰にしがみついてきました。

 「あなた・・はあは・・・あなた・・・はあはあ・・・あなたぁ・・・」
 「うおおっ」

 妻を押し倒し、腿を思いきり開き、濡れた妻の女性部にむさぼりつく。舐めまわし、クリトリスを吸い尽くす。

 「うはあっ!あなたの妻ですからぁっ!あふうっ・・・お好きなところを使って下さいぃっ!うふうんっ・・・前でもぉっ、後ろでもぉっ・・・前でもっ、お尻でもぉっ・・・はうんっ」
 「いくぞぉっ!」
 「あなたぁっ!」

 私は恐ろしい復活力を見せる勃起を、妻の膣に当てがい、一気に押し込みました。
 「うんふうっ!」
 のけぞる妻を突きたて、抜いた。そして今度は、アナルに当てがう。妻の愛液で濡れた亀頭で、可憐なすぼまりを押し開く。貫く。
 「ひいぃっ!あなたぁっ!ひいいぃっ!」

 妻の直腸を奥まで貫いた私は、膣の中にも指を突っ込みました。捩れるように締まるアナル。ひくつく様に締まる膣。クリトリスを圧迫した時、妻が吠えました。

 「もう駄目ぇっ!こんなの初めてぇっ!イッちゃうっ!お尻でイッちゃうっ!」

 ブシュウッ!

 膣から指を抜くと、妻は潮噴きしました。ぶしゅぶしゅと噴出す淫水。ギュウウッ・・・とアナルから私の勃起が押し出されたのです。恐ろしい収縮。私は抜けた勃起を、間髪いれず膣に貫き入れました。

 「ひぐうぅっ!あなたぁっ!壊れちゃうっ・・・壊してぇっ・・・あなたぁっ」

 あなた、あなた、あなた・・・妻は髪を振り乱し、爪をつきたて、何度も私を呼びました。あなた、あなた、あなた・・・

 「あなたぁぁっ!!」

 そうだ、私たちは夫婦だ。壁の大きな鏡に、私と妻が映っていました。凄まじい性交だ。私がのぞき見続けた、家庭訪問のあの男と妻の性交以上の凄まじさだ。躍動と迫力では敵わないだろう。でも根本的に違う。夫婦のセックスの凄まじさだ。あの男では決して作れなかった凄まじさ。
 あなた、あなた、あなた・・・妻が口に出す言葉が、私の中に入り、夫として燃え勃起し持続しました。妻の手を握り締め、指を絡め、腰を打ち続けました。妻と目を合わせ続け、確認しながら腰を振り、締め付けあいました。夫婦なんだ。絶対に離さない。何処にも行かない。

 「あなたイッちゃぅっ!!」
 「うぬうぅっ!」

 私と妻は、並んで手をつないで仰向けになり、天井を見ていました。どのくらいそうしていたでしょうか。私はむしょうに我が家に帰りたくなったのです。
 妻は、男との関係を、私が知っていると思っているのだろうか?逆に、男の負傷に、私が関係していることを感づいているのか?

 「あなた・・・私、帰りたいわ・・・」

 妻がそう言って起き上がりました。怖い。妻を失うのが。何も聞くまい、言うまい。それが間違っていても、怖いんだ。妻もそう思っているからこそ。私と妻は激しく愛しあえる。破綻の扉をこじ開けてもしょうがないじゃないか。私は起き上がり、妻に言いました。

 「帰ろう、家に」
 「はい、あなた・・・」

 男が家庭訪問にやって来なくなって、半月あまりが過ぎた。私は再就職をし、新しい職場にも徐々に慣れてきたところだ。私は宅配会社に就職した。重い荷物を車に積み降ろしし、一軒一軒の顧客の元へと配達する。一つ一つ、一軒一軒配達しないと仕事は終わらない。道に迷うこともある。雨が降ることもある。私はこの仕事が気に入ってしまった。まるで生き方を指南しているような仕事だ。一つ一つ、解決していく・・・。

 私と妻は、互いに見ているだけで幸せを感じるほどの生活を始めだしている。新しい仕事についても、妻は応援してくれている。前のように安定した収入ではない。それでも妻は毎日、明るく私を送り出してくれるのだ。
 妻は、私が男と死闘をして、男を入院させたことを感づいているかもしれない。何しろあの死闘の夜、私はボロボロの服装で帰宅したのだから。妻は何も言わなかったが、何も思わないわけがない。それはつまり、私に、妻と男の関係を知られていると、気づいているということだ。

 一つ一つ、解決していくのだ。たまたま進む道にあった穴にはまって、そこから這い出してまた進むことを諦めてどうする。落とし穴なんていくらでも出てくるかもしれない。私は妻と二人で、一つ一つ這い上がっていくのだ。
 妻の父親のように、進むこともせず、何もかも投げ出してはいけない。あの男、峰垣のように、たった一つの落とし穴に執着して、出て行った夫人を許すことも頭を下げることもしないで、身を滅ぼしてはいけない。

 そうだ、私は妻と歩んでいくのだ。

 しかしあの男は、どうして私の名前を出さなかったのか?そんな事を思ったのは、配達中に、堀田から聞いた、あの男が入院している病院の近くを通りかかったからです。そして私は、病院内に車を入れていた。駐車場に車を止め、病院の大きな建物を見た。

 私はため息をつきながら、病院の入り口に向かいました。一体何をしようというのだ。男に、なぜ私と堀田の名前を出さなかったか聞くというのか。馬鹿なことだ。あの男のプライドでもあろう。襲われて落とされたなど、あの男の自尊心が許さないのだ。やめよう。そう思って、入り口の手前できびすを返し、車に向かおうとした時です。私は視線を感じて、横を向きました。
 車イスに乗った、パジャマ姿の、白髪が目立つ初老の男性が、目を見開いて私を見ていました。あの男だ。峰垣だ。

 「ひいぃっ!」

 男は、怯えきった目で私を見ていました。そして、震えるような声を出して、車イスの向きを変え、逃げるように必死に車輪をこいで行くのです。私を何度も振り返るその目は、恐怖の目でした。男が建物の角に姿を消した時、私はあまりの虚しさに目がくらみました。
 私がとどめを刺しにきたとでも思ったのか。馬鹿な。ならばなぜ、私の名前を出さなかった。私を社会的に葬る事が出来た筈ではないか。何故だ・・・。

 もういい。仕事に戻ろう。私は駐車場に戻り、車に乗り込みました。ほんの数秒、タイミングが狂えば、私は違った人生を歩んでいっていたかもしれません。荷物を取ろうとでもして、後ろを振り返って、前を歩く妻を見逃していたりしたら・・・。エンジンをかける指先が震えて止まりました。
 妻が、駐車場を横切って、病院に入っていった。何しに、来たのだ?何しに?指先の震えが、全身に広がりました。私は車を降りて、走った。

 病院のロビーには、妻の姿がなかった。私は受付に行き、健太の小学校の名前を言い。男の病室を聞きだしました。私はエレベーターに飛び乗った。
 エレベータを降りると、そこにも受付があった。私は病室番号を言い、看護師が指差す方へ早足で歩いた。広い病院だ。廊下の突き当りを曲がった時、ちょうど妻の姿が、向こうの突き当りを曲がって消えたところだった。私は急いだ。突き当たりに差し掛かった時、後ろでガラッと扉が開く音がした。振り向くと、車イスの白髪の男性が、私が来た方向へ向かっている。男だ。あの男だ。
 引き返すと、男はエレベーターの中へ入って、閉まる扉に見えなくなったところだった。階を示すランプは、最上階を示していた。私は受付の看護師に尋ねました。エレベーターの最上階は、病院の屋上に出れるらしい。私は妻が消えた廊下をたどっていきました。階段を上って。屋上の扉に行き着いた。目の前が、暗くなってきました。

 ギイィ・・・
 重い鉄の扉を開き、広い屋上に出ると、洗濯物やシートが物干し竿にはためいていました。誰もいない。しかし、動く影があった。向こうの給水塔の向こうから、人影が動いている。動悸がしました。目の前がチカチカした。私はもつれる足でその給水塔に向かいました。コンクリートの壁に辿り着いた時。男の声がした。

 「驚きましたよ。来てくれたのですね、健太君のお母さん」

 私はそっと、顔をのぞかせた。車イスの男と、私の妻が、向き合っていた。

 「お美しいですな。久しぶりに見るお母さんは。体が疼くのでしょう。それで来たのですね。私もお母さんに会えなくて、たまらなかったのです。さあ、見せて下さい。健太君のお母さん」

 妻が無言で、ブラウスのボタンを外しだした。男は生唾を飲みながらその妻の姿を見ている。パサリと脱ぎ去ったブラウスを下に落とした妻。真っ白な美しい肌が、太陽光で光ってますます美しい。妻は細い両腕を背中に回し、ブラのホックを外した。ブルンッと、豊満な乳房が、こぼれ弾んだ。男が、涎を垂らしながら、声を荒げたのです。目が血走っている。

 「は、早く触らしてくれ、健太君のお母さんっ。も、もっとこっちへ寄ってくれっ」

 妻が、両手を伸ばす男へと近づいていく。触れられる距離に来た途端、男は両手で妻の乳房をわしづかんだ。ぎゅうぎゅうと揉みしだいている。

 「うおお、これだあ・・・。この柔らかさだ。このすべすべの肌。ムチムチの大きさ。これだあ・・・。もっと寄ってくれ、お母さん。乳首を吸わしてくれ、健太君のお母さんっ」

 車イスから落ちそうなほど身を乗り出す男は、一歩前に出た妻の、イチゴ色の乳首に吸い付いた。左右の乳房を交互に揉みしだきながら、左右の乳首を交互に吸いまわしている。男が妻の手を取り、パジャマの股間に押し付けた。

 「私は腰の骨をやられてね、まったく役立たずになってしまったのです。やぶ医者は、もうセックスは無理だと言った。たのむ、健太君のお母さん。リハビリをしてくれないか。お母さんなら、私を復活させることが出来る。週に一度、家庭訪問に行ってお母さんを喜ばしたんだ。今度はお母さんが、病院にリハビリに来てくれないかっ。もし復活したら、また家庭訪問に伺いましょう。また二人で、激しく燃えようじゃありませんか。さあ、たのむ、健太君のお母さんっ」

 妻が、車椅子の前に膝をつき、男のパジャマのズボンに両手をかけた。そして、必死で腰を上げる男から、ずるりとズボンを下ろしたのです。パンツの隙間に手を入れた妻は、取り出した。
 妻が取り出した男の男根は、柔らかく亀頭をうなだらせていました。妻はじっとそれを見つめた後。唇を開いた。

 「おおうっ・・・お母さん・・・ううぅっ・・・健太君のお母さん・・・」

 男の男根を含んだ妻の頬が、すぼまっていく。
 一つ一つ解決していく・・・。その土台さえ、実は出来ていなかったのではないか・・・。

 

 病院に入る妻を目撃していなかったら、違った人生を歩んでいたかもしれない・・・。本当にそうでした。実は、妻と私は、二人のしっかりした土台を築いていなかったのじゃないか・・・その通りだ。なにしろ、今回の出来事は、私一人で納得して解決していたのだから。私一人でっ!大馬鹿野郎だっ!私はっ!妻の中では何一つ解決していない。妻はそのために、ここにやって来たのにっ!妻にここまでさせるまで、何も気づいていなかったっ!糞野郎だっ!私はっ!私を励ます妻の笑顔の裏側が、まったく見えていなかったのだっ!この私はっ、大馬鹿の糞野郎だっ!

 「もっと舌を絡めて吸ってください、健太君のお母さん・・・ううっ、この温かいお母さんの口の感触・・・これを続けてくれれば、私はきっと回復する。リハビリに通ってくださいよ、お母さん。そうだ、パイズリもしてもらいましょうか。健太君のお母さんの、淫らなパイズリ顔を見れば、回復も早まるはずだ。さあ、ほら、その白くて大きくてムチムチのオッパイを寄せるんですよ、お母さん。いいですか、私が回復したら、健太君のお母さんの、アナル処女をもらってあげましょう。約束を放うったらかしてしまっていますからな。私が出した大人の宿題はちゃんとやってますかな?お母さん。アナルパールで、しっかりほぐしていますかな?今でも疼いているのではないですか?お母さんのアナルがヒクヒク。さあほら、アナルを貫いてほしくば、もっとしっかりリハビリするんです。私を復活させるんですよ、健太君のお母さん、ほらパイズリを・・・えっ!?お母さん・・・なっ・・・ど、どうしたのですか・・・?」

 車イスの男の股間に顔をうずめていた妻が、静かに立ち上がりました。じっと、男を見下ろしている。驚いて妻を見上げていた男は、次第に鼻の舌を伸ばし始めた。

 「ほう・・・たまらないのですな、健太君お母さんは。アナルを、いじってほしいのですな?まあいい。私へのリハビリは、その後でも勘弁してあげましょう。さあ、スカートとパンティーを脱いで、尻をこっちに向けるんです、お母さん。ついでに、おま○こも可愛がってあげましょう。さあ、ほらっ、何をしてるんですっ、お母さんっ、健太君のお母さんっ」

 男の顔が、引きつり始めました。いや、怯えだしたと言っていい。じっと、ただじっと、男を見下ろす妻。男が、怒鳴った。

 「何をしてるんだっ!さあほら、脱げっ!・・・・・・うわっ!」
 「べっ!!」

 苛立つ男の顔に、妻が吐き出した唾がかかった。

 「べっ!!べっ!!」
 「うっわっ、やめろっ、何をするっ」
 「べっ!!べっ!!べっ!!・・・」

 妻が吐き出す唾を防ごうと、手をかざす男。妻は、男の萎えきった男根にも唾を吐きかける。吐きかける、吐きかける・・・

  
 「私の父よりも哀れで、私の主人の、足元にも及ばない人ね、あなたは・・・」
 「ひい・・・何を言ってるんだ・・・何を言うつもりだ・・・ひ・・・」
 「私の父は、どうしようもない人間だった。でも苦しめたのは、自分の家族だけだったわ。他人に自分の苦しみをぶつけるなんてしなかった。私と母は辛かったけど、私たちは家族の中で泣いてののしって叫んでたの。そして父は、姿を消したわ。いいえ、消してくれたのかも。これ以上私と母を苦しめないためにと思って。それに比べて何よ、あなたは。女房に逃げられた憂さ晴らしに他人を脅迫して・・・」
 「や、やめろ・・・」
 「私の主人は、私が、自分の妻がどんなに汚れても、許してくれて、受け入れてくれて、共に前に進んで行こうとしてくれている。それに比べてあなたは・・・」
 「やめろと言ってるだろ・・・ひっ、何をする」

 妻の手先が、太陽光でキラッと光った。ナイフだ。私が男との死闘の後に捨てたナイフを持っている。妻が拾うなんて、考えもしなかった・・・。私は何て事をしたんだ。

 「どっ・・・どうするつもりだ・・・」
 「もう私は限界なのよ。この汚れきった体で、主人と一緒に歩いていけない。笑顔だってもう出せないわ。主人は、私に家庭の幸せを教えてくれたのよ。父を許す気持ちになれたのも主人のおかげ。私の最愛の人にこんな汚れた体で・・・いいえ、私の事なんかどうでもいい。よくも私の主人を追い詰めたわね。あなたは私の主人を、消し去ろうとしたのでしょう。私の体はどんなに汚れてもいい。でも主人を突き落とそうとしたことは許せないわ。絶対に・・・。あなたを始末して、私も・・・」
 「ま、やめ・・・やめてくれ・・・ひい・・・」

 男ににじり寄る妻。今からだ。今から初めて、いけばいいよね。すまなかった。ごめんよ。逃げていて。助けてあげなくて。向き合わなくて。

 「待ってくれっ!」
 
 私は飛び出して、叫びました。振り返って私を見た妻の顔が、一瞬にして青ざめた。ナイフを落とし、はだけた胸を隠した。私が現れたことよりも、男といる場面を目撃されたことに、狂乱したようだった。

 「あなたっ、許してっ・・・許してぇっ!あなたぁっ!」
 「汚れてなんかっ、いるもんかぁっ!!」

 私は妻に走りより、抱きしめました。この瞬間ほど、愛情が湧き出てきたことは人生でない。妻を抱きたかった。性欲じゃない。妻と一つになりたかった。それだけだ。私は妻の唇にむさぼりついた。しがみついてくる妻。
 「うふん・・・むふう・・・むふん・・・」
 妻が跪いて、私はズボンを下ろした。妻が私の勃起にしゃぶりつき、胸の谷間に挟んだ。妻が弾んだ。
 「うぷっ・うぷっ・うぷっ・・・あはん・・あはあ・・・くふう・・うんっうぷっ・・・」

 「すげえ・・・すげえ・・・」
 男がこう言いながら、目を血走らせて、私と妻を見ながら、自身の萎えた男根をごしごしと擦っている。息を荒げて、シコシコと揺れている。それがどうしたと言うのだ。男など、景色の一つになっていた。私は妻と一つになる事に夢中だった。一つになっていく事に必死だった。
 「すげえ・・はあはあ・・・すげえ・・・はあ・・・」

 「ああんっ!あなたあっ!」
 私は妻を立たすと、立ったまま後ろから妻を貫いた。倒れまいとする妻が、男の体に手をついた。私に後ろから突かれながら妻は、男の顔や肩をかきむしっていた。すげえすげえと呻きながら自身の萎えた物をしごく男。男は妻と私にとってもう、物体だった。手を突いて支える物体だった。
 「すげえっ・・・すげえっ・・・」
 「いいっ、あなたっ・・・きもちいいっ、あなたあっ」
 「すげえっ!」

 私は妻の腰をつかみ、後ろから腰を送りながら、妻のアナルに指を入れた。
 「ひいっ・・・あなたっ・・・きてえっ!」
 膣から抜き、アナルを貫き、突いた。突いて、一つになった。突いて突いて、二人は一つになった。
 「あなたあっ!イクうぅっ!」
 「ぬううっ!!」
 「すげえっ!!」

 真っ青な空に、白い雲がゆったりと流れている。屋上のコンクリートに倒れこんだ私と妻は、雲を見ていました。妻が、口を開いた。
 「あの曇って、ずっと先に流れて行って、なくなったら、また生まれて流れていくんでしょう・・・ねえ、あなた、お願いがあるの」
 「うん・・・」
 「私、今度生まれ変わったら、またどこかの道の端で、車をパンクさせておくわ。だからあなたお願い。きっと、通りかかってね。お願い」

 私は妻の声をはっきり聞きながら、頷きました。風の音が聞こえる。風の音はただ耳に入ってくるだけだ。男の声と共に。
 「すげえ、アナルセックスだった・・・もっと、見せてくれよ。凄い興奮だった。あんたたちのを見てたら復活できるかもしれない。もう一度してくれ・・・」
 男の声は風の雑音と一緒だった。

 私は妻の息遣いにだけ耳をそばだてていた。

 私は、三年前の出来事を長々と投稿してきました。もうこれで終わりになるでしょう。私は今、我が家の居間に立って、庭を眺めている。この部屋にはもう、盗聴器など仕掛けていない。三年前にこの家、この部屋で行われていた家庭訪問などもうないのだ。
 私は、宅配会社で、支社長を任されるようになった。充実し、安定した毎日を過ごしている。

 居間の隅に、息子の健太が置いている剣道具がある。来年、中学になる健太は、今年、全国小学生剣道大会の上級生の部で、入賞を果たした。健太は驚くほど、才能があるようだ。県外の中学から、入学しないかと誘いが来ているのだ。本人は行く気があるらしい。

 テーブルに、堀田からの葉書がある。支社長就任の、祝いの葉書だが、今度、市議会選挙に立候補した堀田は、票集めの意味もあるに違いない。私は、堀田は当選すると思っている。彼のこの三年間の仕事ぶりは、風の噂で聞いている。

 風の噂と言えば・・・。数ヶ月前に、隣町で剣道の道場が開かれたそうだ。杖を突いて歩きながら、子供たちに指導する老人らしい。いい指導者だと、噂になっている。きっと、あの男だ。峰垣だ。そして、下半身が不自由なその老人に寄り添うように、同年代の女性がいつも傍にいると言う。その女性とは、男を捨てて出て行った、夫人なのだろうか?男の元へ、戻ってきたのだろうか?
 真相は判らないが、道場の建設には、堀田が力を貸していると、私は思っている。男が私の名前を出さなかったのは、指導者としての道を閉ざされるのを恐れたのではないか・・・。

 そして・・・

 「ねえ、あなた、見て。綺麗なコスモスが咲いてるわ」
 庭の手入れをしている妻が、大きなお腹をかばうように、屈んでいる。そう、妻は妊娠しているのだ。39歳の妻は、産むと言い切った。その39歳になった妻は、変わらず美しく、庭の陽だまりで輝いている。丈の高い花と共に、輝いている。

 三年前、暗い穴に落ち込んだ私は、妻の輝きに救われた。私だけじゃない。深い穴に落ちた、私や、あの男、そして堀田・・・。暗い穴から真っ直ぐ、外の世界へ伸びていこうとする妻の輝きに、皆、救われたのだ。

 嬉しそうに庭いじりをする妻を見ながら、子供が生まれて落ち着いたら、また行くのだろうなと、思いました。妻はこの三年間で、あちこちの地方都市に私を連れて行った。ただの旅行だというが、必ず、地方競馬場がある都市なのです。きっと、ギャンブル好きな父親を捜しているんじゃないか。私はそう、確信しているのです。

 妻がまた声をかけてきました。
 「ねえ、あなたったら。こっちに来て見て御覧なさいよ」
 私は、答えながら、庭に下りました。
 「ああ、わかったよ、美奈代・・・」

 

 

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