【ドラゴンクエスト・トルネコの大冒険】せめて悪い夢ならば(仮題)

 私はトルネコ。旅をしながら商売をしているもので、ひょんなことから勇者様の旅に同行することになってしまいました。
 そのおかげで、やはり家を留守にする期間も長くなってしまいます。ただ一人の、気ままな旅では無く、仲間である人達の都合もありますから、当然です。
 その日は、やっと旅が一段落して、それぞれしばらくの間、休暇期間とでも申しますか。そういう時間を作ることになり、キメラの翼で私は家のある街へと帰りました。
 街の入り口から家へと向かう途中、見慣れた街並みが目に映ります。そして、しばらくすると、私の家である「トルネコの店」が見えました。
(ネネやポポロはどうしているかな…?)
 私が旅に出ている間、店と家事を両立してくれているしっかり者のネネ、そして頑張り屋の可愛い息子ポポロの顔を思い浮かべるだけで、にんまりと顔が緩んでしまいます。はやる気持ちをおさえながら、ゆっくりと店のドアを開きました。

002_20140920213243「ただい…」
 私の言葉は、最後まで出ませんでした。店の中、視界に入るネネの姿に言葉を失いました。
 ネネは、カウンターに手を付いてもたれかかり、お尻をつきあげていました。そして隣に住んでいるはずのカルコさんは、その後ろで汗を流しながら腰を振っていました。
 肌を見せたお尻と、カルコさんの腰が離れるたびに、その二つが繋がっている部分が見えました。
(ネ、ネネ? な、なにが一体、どうなって───────)
 愕然としながら、目の前の光景を必死で整理しようとしている私の耳に、いやらしい水の音と、腰をうちつける音、そして、
「ああっ…ん! カルコさんっ、もっと…っ!」
 カウンターに突っ伏して、鳴く、愛する妻ネネの声が聞こえました。
「おう、あれ? トルネコさんじゃないか! 帰ってきたんだねぇ」
 やっと状況を理解しはじめた頃、つったっていた私へと、カルコさんが笑い声をかけてきます。
 朗らかな笑みで、昔と変わらない明るい声で、私の妻としていることなど、まるで関係ない、と言ったような雰囲気でした。
「あ、っ…おかえりっ、ああっ、ん……なさい、あなた……っ!」
 カルコさんの声に、突っ伏していた頭をあげたネネが、いやらしい声を出します。
(なぜ、なぜ、ネネやカルロさんは、こんなにも普通でいれるんだ?)
 私が腑甲斐無いばっかりに浮気をしているというのなら、それはそれで私に問題があることなのでしょう。ですが、そういったことは普通、内密に行うことなのではないでしょうか。それを全くと言っていいほど、悪いと思っていないような二人の態度に、私は混乱しました。
「トルネコさん、ネネさん頑張ってるよ。いい奥さん持ったねぇ」
「あら…ぁっん…! そんなっ、おだてないで……ください……ぅんあっ!」
 二人は続けます。やはり、悪いとは思っていないような態度で。カルロさんも、認めたくはありませんがネネも、腰を振り行為を休めずに──────

「なにを…なにを、頑張っていると言うんですか…!」
 私は、拳を握りしめ、外にも聞こえてしまうだろう大声で問いました。
 ネネとポポロと笑いあう、幸せな再会。その希望とは大きく離れた現状に、足が震えて動かない私は、その場で立ったまま行き場のない怒りを拳を握ることだけで耐えました。
「あー、なに怒ってるんだよ。あ、旦那さん、まだ知らないのかい、ネネさん?」
「…やぁっん……あ、ええ…そう言えば、まだ…っんんっ…!」
「ああ、そうなのか。ネネさんな、商売が上手くいかねぇってんでサービスはじめたんだよな? いや、コレなんだけさ、具合がいいんだよ!」
 カルロさんは、笑いながら、いいと言った具合を、確かめるように腰をうちつけます。そして、ネネの胸を隠していた服をまくりあげて、揺れる胸を鷲掴みにしました。それに反応して、髪を振り乱しながら喘ぐネネ…。
 しかし、行為よりも、私はその言葉のほうに困惑しました。
(つまり、つまりこういう事をカルロさん以外にも、していると言うのか)
 怒りなど何処かへいってしまいました。浮気ではなく、そういうサービス、商売。ネネは、つまり、そういった職業の女へと成り果ててしまっていたのです。
「この前、王様に呼びつけられたりもしてさぁ。これが王様もまたいたく気にいっちゃったらしくてよ」
 ネネの背中に舌を這わせながら、カルロさんは言葉を続けます。私にとっては、聞きたくも無い事実である内容の言葉を、さもそれが当然のごとく口元に笑みを浮かべながら。
「っと、ネネさん、もうそろそろ出そうだ」
「あっ、はい…っ! はい、中に、…っ、中に出してくださいっ!!」
 顔を少ししかめて言ったカルロさんの言葉に、ネネは快感に耐えるようにカウンターの端を強く掴みながら、言葉を出しました。
 その言葉にカルロさんは頷き、腰をうちつける音を強くして、
「んんっ、出すぞ、ネネさん!!」
 そう叫ぶと、最後に一度大きくネネの体を突き上げて、動きを止めました。
 多分、カルロさんの精液が流れ込んでいるのを感じているのでしょう、小刻みに震えながら、やはり小刻みな声でしばらくの間、ネネは鳴いていました。
「はあ、さすが。良かったよ、ネネさん。後始末も頼めるかな?」
「あ、はい。薬草ひとつ買っていただければ…」
 二人は体をゆっくりと離します。ずるり、とネネの中に入っていた、濡れたものが姿を見せました。
「わかった、わかった! トルネコさん、あんたの奥さん商売上手だなぁ」
 床に座るネネの顔へと、その抜いた肉の棒を向けながら、カルロさんは困ったような、そんな笑いを私に見せました。
 そして、その言葉に誉められて照れくさそうな、そんな普通の微笑みを見せたネネは、愛液と精液に濡れたカルロさんのものを口に含み、後始末をはじめたのです。
 うっとりとした表情で、私以外の男の肉の棒を舌でなめ、口に含み、しゃぶるネネ。
 私はそのありえないはずだった光景を、ただただ呆然と眺めることしかできませんでした。
 涙がこぼれ、それが頬に線を作るのがわかりました。しかし、私は涙を拭うこともできず、金縛りにあったような状態のまま、眺めることしかできませんでした。
 ただ、私は、夢であることだけを祈り、二人を眺めることしか──────

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