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戦い

戦い 第1回

私45歳、妻美鈴42歳、結婚21年目を迎えた夫婦です。
私は一昨年より地方の支社に単身赴任をしていますが、新幹線を利用すれば2時間半程で帰れる
ので、余程の事が無い限り週末には家へ帰っています。妻も仕事を持っているのですが、やはり
土・日曜休みなので、月に一度は掃除を兼ねて赴任先へ来てくれていました。娘は遠く離れた所
の大学に行っているので1人暮らしをしていて、1つ年下の息子も昨年の春より大学生となり、
1人暮らしを始めました。
私には変な妄想癖が有り、会った事も無い妻の会社の社長や上司、同僚などと妻が浮気をして、
私しか男を知らない妻が乱れる姿を想像しては、1人興奮していた事もありました。しかし、誠
実で身持ちの固い妻に限って現実に起こる事は考えられず、また現実に起こってしまっては、興
奮するどころか耐えられないと分かっていたので、あくまでも妄想だけのはずでした。
昨年の1月から2月に掛けて、妻に少し不振な事がありましたが、不振な事と言っても普通なら
何でも無い事です。しかし、また私の妄想癖が始まり、赴任先の暇な夜を埋めるために、日記の
様な形式で小説風に書きながら、妻に対する嫉妬心を楽しんでいたのですが、それは妄想では無
くなり、私の戦いが始まりました。
これはその日記を元に書き直した物です。

2月22日(土)

妻の様子が変なので、今日からパソコンで日記を付ける事にしました。ただ、妻といる土曜、日
曜は書けないので後日まとめて書く事にし、これも実際は24日に書いています。
今朝、妻が朝一の新幹線で来てくれて、掃除や溜まった洗濯物を片付けてくれました。いつもは
月初めなので、今月は2回来てくれた事になります。私達は月に一度、妻が赴任先に来てくれた
時にセックスをしていました。
夜、妻に迫ると。
「生理が来たから駄目なの。ごめんなさい。」
「今月初めに来た時は、急に頭が痛くなったと言って駄目で、今日は生理で駄目か?家に帰った
時は、隣の部屋の子供が気になるからと言って出来ないだろ?どうして生理になるのが分かって
いて今日来た?今年になってまだ1回もしてないぞ。」
「ごめんなさい。来週は、勤め先の仲間が辞めたので、土曜日に気の合う者だけで送別会をする
の。もうそんな歳でもないし我慢出来るでしょ?」
性欲も有りましたが、それよりも妻を抱いていると何とも言えない安心感が有り、この思いは単
身赴任をしてから、一層強くなったような気がします。

2月23日(日)

昨夜、文句を言い過ぎたので、妻は怒って早くに帰ってしまいました。少し言い過ぎたかと思い
ますが、セックスが出来なかったからだけでは無いのです。今年になって、妻が何か変わったよ
うな気がしていました。何が違うのかと聞かれても答えられないのですが、長く夫婦をしている
私には分かります。妻も決してセックスが嫌いでは無く、むしろ好きな方でした。あれの時は、
普段の清楚さからは想像が付かないほど激しく、上に跨った時の腰使いは誰が想像出来るでしょ
う。現に昨年末、子供達がいない夜にした時は、妻が3回目の絶頂を迎えた後に私も放出したの
ですが、妻はまだ許してくれず咥えてきて、もう一度させられたほどでした。
その妻が、もう2ヶ月も無いのに平気な顔をしている。妻に限って浮気は考えられないと思いな
がらも、何か嫌な予感がして仕方が有りません。

3月1日(土)

妻は朝から、私が持ち帰った1週間分の洗濯物を洗ってくれています。まだ先週の事を怒ってい
るのか、昨夜帰ってから何となく不機嫌そうだったのですが、昼食を2人で食べている頃から笑
顔も見せるようになり、少しほっとしました。妻の事を疑っているのに、知らぬ間に機嫌を取っ
ている自分が情けないです。
息子は友達と出掛けて、夜まで帰らないので妻を誘いましたが。
「こんな昼間から何を考えているの?信じられない。」
あっさりと断られてしまいました。
夕方から妻は送別会に出掛けて行き、一人になってしまったので暇を持て余した私は、妻の下着
をチェックしようとタンスを調べました。自分の下着の入っている場所も知らないので、いくつ
か開けて調べていると、やっと妻の下着が入っている引き出しを見つける事が出来、浮気をして
いると下着が変わると聞いた事が有ったので、もしやと思いましたが、普段見慣れた物しか無く
安心しました。まだ本気で疑っていなかった私は、探偵にでもなった気分で他のタンスの引き出
しも、隅から隅まで調べる事にして、一番下の引き出しを開けると、昔着ていた衣類や普段あま
り着ない物が入っています。一番奥に懐かしいセーターを見つけて出してみると、その下には隠
すように綺麗な箱が有り、そこには見た事も無い下着が入っていました。アダルトショップで売
っているような物では無いのですが、ハイレグなど、色も形も普段見た事も無いような派手な物
ばかりです。妻は本当に浮気をしているかも知れないと思い、下着の事を問い詰めたくて寝付か
れなかったのですが、ベッドで横になり、色々な事を想像している内に眠ってしまいました。

3月2日(日)

朝目が覚めると、妻は隣のベッドでまだ寝息を立てています。起こさないようにそっと寝室を出
て、脱衣場に行って籠の中を調べると、先に脱いだ筈の私の衣類より下に、黒い小さな固まりを
見付けて手に取って広げると、見た事も無いパンティーとブラジャーでした。それも、パンティ
ーは洗ったらしく、まだ濡れています。居ても立ってもいられず、寝室に戻って妻を起こしまし
た。
「夕べは何時に帰ってきた?」
「1時頃だと思います。遅くなってごめんなさい。名残惜しくて。」
「嘘をつけ。1時までは俺も覚えている。それより美鈴に下着集めの趣味は有ったか?」
「ごめんなさい。私の勘違いかな?2時だったかも。それより何なの?朝から変な事ばかり聞い
て。下着集め?そんな趣味は有りません。」
「それなら、タンスの一番下の引き出しに入っている箱の中は何だ?それと、この下着はどうし
て洗った。本当に送別会だったのか?」
濡れた黒い下着を投げ付けました。妻は一瞬驚きの表情をしましたが、その後泣き出し。
「酷い。私が浮気でもしていると言いたいの?私はあなただけを見て来たのに。下着も隠してい
たのじゃ無くて、予備に置いて有ったのです。1枚駄目になると、あそこから1枚出して使って
いました。この下着を洗ったのは、帰りの車でトイレに行きたくなり、家までもつと思ったけど、
少し・・・・・・・・。もういいでしょ。あなたは私の事をそういう目で見ていたの?」
下着の件も、予備にしては今までの物とは違い派手な物ばかりで到底納得出来ませんが、浮気の
確証が有った訳では無く、また、女の涙には勝てずに、後ろ髪を引かれる思いで赴任先に戻りま
した。

 

戦い 第2回

3月6日(木)

会社から戻ると、毎晩妻の事を考えてしまいます。妻が知らない男に抱かれている姿を想像して
しまい、嫉妬で狂いそうになります。私しか知らない妻の姿を、他の男も知ってしまったのかと
思うと、今迄のように嫉妬を楽しむ余裕など有りません。
無性に妻を抱きたくなり、妻を確かめたくなり、電話をしました。
「年度末で、暫らく土日のどちらかしか休めそうも無いから、今月だけ土日は美鈴が来てくれな
いか?」
「そちらには行きません。あなたに疑われたまま会う気になれません。」
「来月の5日まで帰れないぞ。それまで1回も来ないと言うのか?」
「お互い頭を冷やすのに、丁度いいじゃないですか?」
こんな時に1ヶ月も会えない苦しさから逃れたくて、まだ浮気していると決まった訳では無いと、
自分に言い聞かせました。変なもので、これを書き出した時は無理に妻を疑おうと自分に言い聞
かせていましたが、本当に浮気している可能性がある今は、逆に妻の行動を浮気では無いと否定
している自分がいます。

3月15日(土)

土日のどちらかは休めると思っていましたが、今週も、来週も休めそうも有りません。来週の3
連休は大学が決まった息子の引越しですが、友達に手伝って貰うので心配要らないとメールが来
ました。
夜10時頃電話をすると息子が出たので、手伝いが出来ない事を謝り、妻に代わってくれるよう
に言うと、仕事仲間と食事に行くと言って出かけたまま、まだ帰っていないと言われました。0
時にもう一度電話を掛けると誰も出ません。息子の部屋には電話が無いので、眠ってしまって聞
こえないのだろうと思いましたが、私達の寝室には電話が置いてあるので、帰っていれば妻は起
きるはずです。妻の携帯に掛けてみると、なかなか出ません。諦めて切ろうとした時に妻の声が
聞こえました。
「なに?今頃電話してくるなんて。何か有ったのですか?」
「いや、別に。家に掛けたのだが誰も出なかったのでな。食事会だって?」
「そう。友達と居酒屋で食事していて遅くなっちゃった。もう帰ります。」
居酒屋にしてはやけに静で、微かにBGMが聞こえます。それに、電話に出た時の妻の息遣いは
可也乱れているように感じました。私は動揺して、その後何も言わずに電話を切ってしまいまし
た。

3月29日(土)

31日まで掛かると思った仕事も、ようやく昨日で片付きました。
あれからの私は地獄の日々で、仕事で疲れていても、マンションに帰ると妻の事を考えてしまい、
深夜まで寝付けないのです。心身ともに疲労困憊していましたが、休みになった事を告げずに赴
任先を発ち、家に着いたのは夜9時を過ぎていました。
息子は既に1人暮らしをしていて、妻が1人で待っているはずの家は留守だったで、合鍵で開け
て入ると、疲れから食事も摂らずに眠ってしまいました。

3月30日(日)

目が覚めたのは午前6時でした。しかし妻はまだ帰っておらず、コーヒーを煎れて、トーストと
目玉焼きを食べていると、暫らくして帰って来た妻は私が居る事に驚き、何も言わない私に必死
で言い訳を始めました。
「友達に、相談に乗って欲しい事が有るから家に来て欲しいと頼まれて、話が長くなってしまっ
たので、帰っても誰もいないのなら泊まっていってと言われたので泊めてもらったの。帰れるの
なら連絡してくれれば早く帰って来たのに。ごめんなさい。」
そう言い終ると返事もしない私を残して、慌ててシャワーを浴びに行きました。気付かれないよ
うにバスルームに行き、いきなりドアを開けると、物音に気付いた妻は両手で前を隠した格好で、
背を向けてしゃがみ込んでいて、真っ赤なパンティーだけがシャワーに打たれています。
「あなた。急に何なの?恥ずかしいから出て行って。」
「下着を洗っていたのか?また少し漏らしたのか?それにしても見た事も無い派手なパンティー
だな。」
妻は無言で俯いていました。キッチンに戻って冷めたコーヒーを温め直して飲んでいると、戻っ
てきた妻は、また一生懸命言い訳を始めました。
「本当は、気分転換になるから時々色々な派手な下着を穿いていたのだけど、こんなのを着けて
いる事を知られると、いくら夫婦でも恥ずかしいから隠してあったの。それで、あなたに見つか
らない内に洗濯して隠そうと思って。この前は嘘をついてごめんね。」
妻の浮気を確信しましたが嫉妬心は復讐心に変わり、意外と冷静な事が自分でも不思議でした。
復讐しようにも、相手が分からず証拠も無いのでは誤魔化されるだけです。
「もう分かった。美鈴を信じるよ。それより2人だけだから今からどうだ?」
その気にはなれないのに、妻の反応を見るために言うと。
「ごめんね。こんな昼間は嫌なの。誰かお客さんが来るかも知れないし、落ち着かなくて。」
想像どおりの答えでした。
「来週は私が行くからその時ね。」
この前までは、もう行きたくないと怒っていたのに、やはり後ろめたいのか、優しい口調の妻に
戻っていました。

 

戦い 第3回

4月5日(土)

今週はこちらに来るはずの妻が、昼を過ぎても来ません。
昼過ぎに電話が有り。
「あなた、ごめんなさい。行こうと思って準備していたけど、急に気分が悪くなってしまって。
更年期障害かな?早い人はもう私の歳でも有るって聞くし。」
「そうか・・・・。それより、もう子供もいないのだし、美鈴もこちらで暮らさないか?離れて
暮らさなくてもいいだろ?」
妻が仕事を辞めれば、今は子供達にお金が掛かるので、経済的に苦しくなるのは分かっていまし
たが、なぜか無性に寂しくなった私がそう言うと。
「ごめんね。それは出来ないわ。今の仕事が好きだし、今辞めると会社に迷惑も掛けてしまう。
お願い、続けさせて。もう少しで、あなたも戻って来られるでしょ?」
その夜は7時に電話しましたが、妻は出ません。その後何回も電話しましたが、結局妻は出ず、
携帯も電源を切られていて繋がりません。どうやって証拠を掴むか考えながらベッドに横になり
ましたが、浮かんでくるのは、妻の白い裸体が他の男によって貫かれている姿です。妻が男に跨
り、腰を振っている姿です。

4月6日(日)

悔しさでとうとう眠れず、朝まで何回も電話し続けましたが、妻が電話に出たのは、もう朝の8
時を過ぎていました。
「何処かに行っていたのか?夕べ9時頃に電話したが出なかったな。携帯も切られていたし。」
7時から朝まで、何回も電話した事を隠して聞くと。
「・・・・・・・ごめんなさい。あなただったの?ちょうどトイレに入っていて、電話が鳴って
いるので急いで出たけれど間に合わなくて。携帯が切れている?充電不足で電池が切れているの
かな?見てみます。・・・・・・それより何か急用でも有ったのですか?」
「いや。急に美鈴の声が聞きたくなって・・・・・。」
「いい歳をして何を言っているの?変な人。」
あの誠実だった妻が、簡単に嘘を言える女になってしまった事へも、強い怒りを覚えました。

4月12日(土)

昼過ぎの新幹線で帰ってきました。夕食は久し振りに2人で外食して、帰りに車を止めて、キス
をしようとしましたが。
「ちょっと。こんな所でやめてよ。人に見られたらどうするの?私達そんなに若くないのに。」
家に帰って風呂に入り、妻を誘うと。
「あなた。本当にごめんなさい。あれが来ちゃったの。」
「いつもは22日前後のはずだろ。本当なのか?」
「ええ。やっぱり更年期かな?不規則になるって聞くし。本当にごめんね。」
私はキスだけでもと思い、強引に妻に抱き付いてキスをしようとすると、妻は私の顔を両手で押
して、キスを拒みました。
「ごめんね。その気になってしまうから。今度ね。」
「もういい。もう寝る。」
何故か妻は涙を流していました。妻は浮気相手を愛してしまい、私とはキスさえも嫌なのだろう
かと思うと、嫉妬、悔しさ、怒りで体が震えました。

4月13日(日)

今日は朝から同僚に会うと嘘を言い、電話帳で調べた興信所に行きました。1件目は、どうも胡
散臭そうだったので説明だけ聞いて保留にし、2件目に行くと、最初に行った所より感じが良く
料金も少し安いのですが、それでも結構な金額です。今週の月曜から日曜まで頼むつもりでした
が、余りに高額で、妻に内緒ではどうにもなりません。男と会う日が特定出来れば小額で済むと
言われ、結局、次の金曜日と土曜日の2日間だけお願いしました。勿論、日曜日までずれ込めば
延長してもらいます。
「さっき携帯に電話が掛かって、何か仕事上のトラブルが有ったようなので、来週は帰れない。
美鈴に来て欲しいが、違う支社に出向く事になるだろうから来ても会えないと思う。新幹線代も
勿体無いから来週は来なくていいぞ。電話を掛ける事も出来ないかも知れないから、何か有った
ら携帯に電話してくれ。」
そう言い残して、赴任先に帰りました。これで妻は自由に行動出来るはずです。

4月19日(土)

夜7時に、妻が男とラブホテルに入ったと、興信所から携帯に電話が有りました。やっと証拠を
掴める喜びと、本当に妻が浮気していたとゆう失望感が入り乱れ、急いで新幹線に飛び乗って家
に帰りましたが、当然、家は真っ暗で誰もいません。すぐにでもラブホテルに行って怒鳴り込み
たい心境でしたが、十分な証拠が取れないといけないので、我慢するように興信所から言われて
いて動けません。今頃妻は・・・・・・・と思うと悔しさで、眠れぬ夜を過ごしました。

 

戦い 第4回

4月20日(日)

妻は朝の8時に帰ってきました。
「えっ・・・・・・。あなた・・・・・・・どうしたの?お仕事は?」
「ああ。昨日で片付いた。それよりまた朝帰りか?一晩楽しんできたのか?俺の知らない男に跨
って、一晩中腰を振っていたのか?」
「あなた。何を言っているの?違います。そんな事はしていません。」
「分かった。分かった。もういい。こんな淫乱な母親だったと知ったら、子供達もどう思うだろ
うな?可哀想に。お前達は絶対に許さんからな。徹底的にやってやる。一生怨んで、きっと後悔
させてやる。」
「あなた。何を言っているの?勝手に勘違いをして、子供達に変な事を言わないでくださいね。
私はただ友達の家に・・・・・・・。いったいどうしたのです。」
「ほう。お前の友達はラブホテルを経営しているのか?」
その時、携帯が鳴りました。
「はい。すぐにお伺いします。」
「興信所からだ。相手の男も分かったそうだ。夕べのお前達の行動も、全て写真に写せたとさ。」
「えっ・・・・・。興信所?」
妻は床に座り込み、泣き出しました。
「俺は今から興信所に行ってくる。お前は子供達と、お前の両親を呼んでおけ。お前が何処に行
って何をしていたのか、みんなで写真を見ながら聞こうじゃないか。相手の男も呼んでおけよ。」
興信所で報告書と写真を受け取り、説明を聞いて帰ると、玄関に男物の靴が脱いであります。急
いで部屋に入ると若い男が私に気付き、土下座しました。怒りが頂点に達していた私は、いきな
り顔を蹴り上げ、仰向けに倒れた男を更に蹴ると、泣きながら立っている妻の頬を平手で叩き、
頬を押さえて座り込んだ妻と、顔を両手で覆って、声を出して泣いている男を見て、やっと興奮
も少し収まり。
「子供とお前の両親には連絡したか?」
「お願いですから、子供達と両親には・・・・・。お願いです。」
「駄目だ。こんな子供と同じような若い奴と・・・・・。子供達にも、親にも、会社の仲間にも、
友達にも、近所にも、お前の本当の姿を教えてやる。俺は恥を掻いてもいい。散々コケにされた
のだから、これ以上落ちる所は無い。お前はこうゆう淫乱な女だと、みんなに教えてやる。今朝
まで楽しんでいたラブホテルの部屋も、SMの部屋だそうだな?いつもそうなのか?お前達がそ
ういう趣味なのも、全てみんなに教えてやる。」
「お願い。誰にも言わないで。子供達には言わないで。生きていられない。」
「生きていられなければ死んでもいいぞ。例え死んでも、みんなにはどんな女だったか教えてや
る。お前の両親にも、自分達が育てた娘がどんな女なのか分からせてやる。」
妻は激しく泣きながら。
「両親の事は言わないで。お願い。お願い。」
相手の男をよく見ると、色白でひ弱そうな、いかにも真面目そうな男です。
「おい。お前の住所氏名と電話番号、車の車種もナンバーも分かっているから、もう逃げても無
駄だぞ。」
「・・・・はい・・・・逃げた・・り・・しません・・・・・今日は・・・お願いが・・・・・。」
「馬鹿かお前は。お願い?お詫びだろ?・・・・泣くな、聞き取り難いだろ。名前は、鈴木健一
と言うのか?お前の歳と、仕事と、家族構成を聞かせろ。」
「歳は・・24歳・・・・職業は・・・・中学の・・・教師を・・・・・。家族は・・高校生の
時・・・・父が死に・・・・それ以来・・・小学校の教師をしている・・・・母と・・・・2人
暮らしで・・・・・。」
「まだ若かろうと、母子家庭で育とうと、中学の教師だろうと、責任はきっちり取って貰うから
な。一生償わせてやる。今日はもう帰ってくれ。お前を見ていると殴りたくなる。来週お前の家
に行くから、後の事はその時話をしよう。」
赴任先には妻も連れて戻りました。

4月21日(月)

夕べは疲れて、何も聞かずに眠りましたが、妻は眠れなかった様子で目が真っ赤です。
「会社には辞めると電話しておけよ。」
「ごめんなさい。許して下さい。さっき同僚に電話して・・・・・・・親戚に不幸が出来たから
・・・・・・・何日か休むと・・・・・・。」
「お前は平気で嘘がつける女になったな。まあいい。俺が帰って来るまで一歩もここから出るな。」
仕事が終わり急いで帰ると、妻はまだ泣いていましたが、そんな妻に質問を浴びせました。
「あいつと何処で知り合った?」
「彼は大学生の時に、私の勤めている会社へアルバイトに来ていました。今年の新年会で偶然隣
どうしの部屋になって、彼の宴会が先に終わり、みんなとも顔見知りだったので、彼だけ私達に
合流したのです。お酒も飲めないし帰りが遅くなる事も考えて、一度家に戻り、車で行っていた
ので、帰る方向が一緒だった彼を乗せて帰り・・・・・・。」
「お前の運転という事は、お前がホテルに誘ったのか?」
「違います。途中、彼が相談に乗って欲しい事が有ると言ったので、路肩に車を止めて話を聞き
ました。彼の悩みは、オチンチンが小さくて風俗にも行けず、ましてや女の子と付き合う事も出
来ないので未だに童貞で、将来結婚も出来ないだろうと言う悩みでした。最初私は、からかわれ
ていると思っていたのですが、彼の顔を見ると真剣で、目には涙も溜まっていました。その後彼
は泣きながら、私に憧れを持っていた事や、私ならこんな事を相談しても馬鹿にしないと思って
打ち明けた事を話して、男として大丈夫なのか試させて欲しいと言いました。」
「それで淫乱なお前は、待っていましたとばかりにホテルに連れ込んだ。」
「お願い、そんな言い方しないで。当然私は強く断りました。でも、何度も何度も泣きながら、
真剣に訴えてくる彼を見ている内に、何か母性本能のような物が出てきて、今ここで見せてくれ
て、話が本当なら考えてあげると言ってしまいました。」
「あいつは見せたのか?本当に悩むほど小さかったのか?」
「彼がズボンとパンツを一度に下げたので見てみると、あなたのしか知らない私でも、流石に他
の人より小さい事が分かるぐらい、小さい事に唖然としましたが、硬くなった時はまた違うだろ
うから、もう元に戻すように言うと、試して下さいと言いながら私の手を掴んで、オチンチンを
触らせました。性的な物からではなくて興味から、硬くなるように手でしてしまったのですが、
緊張しているのか一向に硬くならないので、夢中になっていた私は彼に言われるまま、口も使っ
てしまい・・・・・・・・。」
「口も使った?いくら母性本能からだとしても、よくそんな事が出来たな。本当は若い男とした
かったのだろ?本当に小さかったのか?・・・・それからどうした?」
「私、どうかしていました。ごめんなさい。ごめんなさい。・・・・・・・・口でしていると硬く
なって、ある程度大きくはなったのですが、それでも彼の話したとおり、硬さは有っても可也小
さく、そんな事をしている内に、自分でも何をしているのか訳が分からなくなっていて、ラブホ
テルに行ってしまいました。部屋に入ってベッドを見た時、やはりこんな事は許される事では無
いから、何もしないで出ようと思いましたが、彼を見ると“これで大人になれる。それも、ずっ
と大好きだった美鈴さんにしてもらえる。”と泣きながら喜んでいて、また可哀想になってしまい、
関係を結んでしまいました。」
いくら可哀想でも、私には許せる事では有りません。私しか知らない妻の中に入り、私しか知ら
ない妻の顔を、他の男に見られたのです。
「そうか。お前は可哀想な人なら、誰にでも股を開くのだな。可哀想な人間なんて世の中に沢山
いる。今から連れて来たら、順番に相手をしてやるのか?お前みたいな女と結婚した、俺が1番
可哀想な人間だろ?」
妻はただ泣くだけで何も答えません。
「本当に小さかったのか?そう言っているだけで、本当は気持ち良くて何回も達したのだろ?お
前の話は信用出来ないからな。」
「最初は彼に自信を付けさせようと思って、感じなくても演技するつもりでした。でも彼のアレ
が小さいので、スキンが緩くて外れないか気になっている間に、1人興奮していた彼は出してし
まいました。私は達しませんでした。本当です。」
自分の物で妻を感じさせる事が出来ずに、すぐに出してしまった彼の失望は相当なもので、もう
1度だけ付き合って欲しいと、泣きながら頼んでくる彼が可哀想になり、また会う約束をしてし
まったそうです。
本当に母性本能からだったにしても、当然妻と相手の男を許す事は出来ません。まだ聞きたい事
も山ほど有りましたが、妻が裸で若い男に手ほどきをしている姿が浮かび、耐えられなくなった
ので、今日はここまでにしました。

 

戦い 第5回

4月22日(火)

この日も会社から帰ると妻に質問責めでした。
「あいつと何回会った?会う度にしていたのか?」
「・・・・・・20回以上は・・・・・でも、毎回ラブホテルに行っていた訳ではありません。
ホテルに行っても悩みを聞いてあげたりするだけで、関係を持つ事はほとんど無かったです。」
「朝帰りの時も?違うだろ。」
「・・・・・・・はい・・・・・・その時はセックスもしました。でも、彼はすぐに出してしま
って、30分程度の行為です。勿論私は達する事もありません。いい訳にはならないけれど本当
です。ごめんなさい。許してください。」
「歳が可也上だと言っても、若い男が女と一晩一緒にいてそれで済むのか?言ってみろ。」
「・・・・・本当です。あとはほとんど話をしていて・・・・・ただ眠る時は、彼が安心出来る
からと言うので、抱き締めてあげて寝た事もありましたが、それも裸ではありません。私も彼も
下着を着けて、浴衣も着ていました。」
「本当か?SMの部屋で?信用出来ないな。」
「ごめんなさい。本当です。あの日はあの部屋しか開いて無くて・・・・・・・入ってみて、彼
も私も驚きました。・・・・・・・・私は彼の事を息子のように思って・・・・・彼には恋愛感情
などありません。それだけは信じて下さい。もう二度と会いません。許して下さい。」
妻を許した訳ではありませんが、彼で達しなかった事やほとんどセックスもしていない事、また
恋愛感情も無かったと聞いて、何故かほっとしている自分に気付きました。
まだ妻を愛していて離婚は考えられなかった上に、今の話を聞いて怒りも少し収まり、心の中で
はこの時点で、許さなければ仕方ないと思いました。
「最後に聞くが、美鈴はこれから、俺との関係をどうするつもりだ?」
「もう二度と裏切りません。都合のいい考えだけれど、このまま夫婦でいたいです。一生を掛け
て償わせて下さい。怨まれたままでもいいから、夫婦でいたいです。お願いします。」
「俺は一生この事を忘れないだろう。度々思い出して、色々な仕打ちもするだろう。それでもい
いのか?」
「どんな事をされても、私が悪いのだから喜んで罰を受けます。どんな事をされても、どんなに
怨まれてもいいから、お願いします。お願いします。」
妻を許す事にしても、彼に対する怒りは妻の比では無いので、後は相手との決着をどう付けるか
という事で頭がいっぱいです。

4月26日(土)

今日の午後、彼と話し合うために妻と朝早く赴任先を発ち、午前中に家に着きました。妻を家に
残して、私1人で彼の家に行くつもりでしたが、彼から電話があって、謝罪に来たいと言いまし
た。私は彼が言うように、謝罪する方が来るのが礼儀だと思い、提案を受け入れました。
午後1時位に彼はやって来ましたが、私が上がるように言っても、土間で土下座をしたまま顔も
上げません。どうにか部屋に通しても、妻とは目を合わせる事も無く、また土下座をして謝罪の
言葉を繰り返しています。妻も彼と目を合わせる事も無いのですが、時々心配そうな目で、彼の
方を見る事はありました。
私は彼が少しでも逆らったり、逆切れしたりした時は学校へも行き、徹底的にやるつもりでした
が、私がどんなに罵声を浴びせても、その度に謝罪する子供と同じような歳の彼を見ていて、彼
の事も許さなければ仕方が無いのかと思い始めていました。
「お金で済む問題とは思っていませんが、ここに百万預かってきました。もう二度と連絡もとり
ません。会う事もしません。約束しますのでどうか今回の事はこれで許して下さい。お願いしま
す。誓約書も書きます。お願いします。」
「預かってきた?」
「いいえ、違います。緊張していて言い間違いました。すみません。」
教師になって1、2年で百万は、楽な金額では無いと思い、誠実さも少し分かって、彼もまた、
許さなければ仕方ないと思いました。

4月27日(日)

許したと言っても、やはり妻と彼の事が気になり、今日も朝から質問ばかりしていました。
「どうして俺とはキスすら拒んだ?」
「ごめんなさい。どんな理由があっても私の身体は汚れてしまいました。こんな身体では申し訳
なくて。あなたに悪くて・・・・・それで・・・・・・。」
妻は質問する度に泣いて謝りましたが、気になる事は全て聞いて、早く忘れるように努力しよう
と思います。

4月29日(火)

今日は祭日なので、赴任先のマンションに1人でいます。妻を連れて来たかったのですが、勤め
を続けさせる事にしました。仕事を続けさせる事は、経済的な理由も有りましたが、妻の精神的
な事も考えて、今までの生活に戻るのが1番良いと判断したからです。あの時は興奮して、子供
達に全て話すと言いましたが、それをしてしまっては妻の居場所が無くなり、本当に死んでしま
い兼ねないので、本心では有りません。
昼ごろ電話をしましたが、妻は出なかったので携帯に電話すると、そこは浮気していた時に電話
から聞こえていたのと同じで、静かでBGMが聞こえています。
「今何処にいる?また会っているのじゃ無いだろうな。」
「違います。連絡したとおり今日は仕事です。今昼休みで近くの喫茶店にみんなで来ています。
本当です。信じてください。信用出来ないのなら、今課長と代わります。」
「いや。そこまではいい。」
自分が休みだったので、妻が出勤なのを忘れていました。それでも念の為に彼から聞いておいた
携帯に電話すると、今日は子供達の部活を看ていると言われ、確かに子供達の声も聞こえていま
した。妻を1人残してきても、妻の様子とあの男の態度を見る限り、接触を持つ事は無いと信じ
ている積もりでしたが、まだ日が浅いせいか完全には信用出来ないでいます。

5月5日(月)

今年のゴールデンウイークは、カレンダーどおりの休みしか無かったので、いま赴任先のマンシ
ョンに戻ってきました。2日の夜には娘と息子も帰ってきて、久し振りに親子4人が揃い、妻の
一件も忘れて楽しい時をすごし、今朝、娘と息子は戻って行ったので昼間から妻を誘うと、妻は
泣き出しそうな顔で頷きましたが、そのような妻を見て、結局私がその気になりませんでした。
妻に対して嫌悪感のような物があり、妻を抱ける日が来るのかと少し不安です。

 

戦い 第6回

5月9日(金)

仕事から帰ると妻から電話が有り。
「あなた、ごめんなさい。明日も仕事になってしまいました。明日帰ってきても留守にしている
と思います。出来る限り早く帰りますので、お願いします。」
「また休日出勤か?ここのところ、いつ電話しても残業で帰りが遅いみたいだし、お前また変な
事をしてないだろうな?」
「本当に仕事です。あなたが心配になるような事ばかりでごめんなさい。今凄く忙しくて・・・・・・。
あの時に休んでしまって迷惑を掛けているので、断り難くて・・・・。」
「仕事なら仕方ないが、俺はまだ完全に美鈴を信用出来ないでいる。本当に反省しているなら、
俺に疑いを持たせるような事は出来るだけやるな。明日の朝帰るから、仕事が終わり次第帰って
来いよ。」
「ごめんなさい。早く帰ります。」
土曜日に妻がいないのなら、帰らないでおこうかと思いましたが、妻を見ないと何か不安で、帰
る事にしました。

5月10日(土)

昼前に家に着いたので、途中のコンビニで買った弁当を食べていると、妻から電話が有り。
「あなた、お昼は何を食べています?コンビニのお弁当?ごめんなさいね。こちらに帰ってきて
もそのような物を食べさせて。今課長に誘われて近くの喫茶店で食事しているのですが、残業や
休日出勤の事を相談してみたら、あなたに話しがしたいと言うので代わります。」
「ご主人ですか?課長の野田と申します。奥様にはお世話になっております。実はこの不況で早
期退職者を募り、新規採用を抑えたのでどの部署も人手不足で、残業をしないとどうにも成らな
い状態でして、特にうちの部署は酷くて、休日出勤までお願いした次第です。お恥ずかしい話、
奥様は私より仕事が出来ますので、ご主人には悪いと思いながらも、ついお願いしてしまいまし
た。ご主人の不満も分かりますが、どうかご無理言えないかと・・・・・・。ご主人の会社はど
うですか?」
「妻の事を良く言って頂き恐縮です。私の所も同じような物で、サービス残業ばかりしておりま
す。お聞きとは思いますが、単身赴任をしておりますので、つい不満を言ってしまい恥ずかしい
限りです。私もサラリーマンですので事情は分かります。妻のような者で良ければ、宜しくお願
いします。わざわざ電話頂き、ありがとうございました。」
私が帰って来た時は妻にいて欲しいのですが、妻の上司から言われれば、こう答える他ありませ
ん。妻が本当に仕事だと分かり、少し気持ちが落ち着きました。妻は7時に帰って来たのですが、
疲れているのか元気が無く、外食を進めましたが、夕食ぐらい手料理を食べてもらうと言って、
すぐにキッチンへ行ってしまいました。

5月11日(日)

昨夜の妻は夕食の片付けが終わると今日は疲れたと言い、お風呂に入るとほとんど話らしい話も
しないで、謝りながらベッドに入って寝てしまいました。今朝起きてからも、私の持ち帰った衣
類を洗濯したりしていて、私と同じ部屋には一緒にいないので、話どころか顔も見せません。
昼食の時、やっと妻と話が出来たのですが、私の話には上の空でやはり元気が有りません。
「大丈夫か?凄く疲れているみたいだな。」
「大丈夫です。少し疲れているだけですから。それよりも・・・・・あなたに・・・・お話が。
やはりいいです。ごめんなさい。」
「なんだ?言い掛けて気持ちの悪い。もう、大抵の事では驚かないから言ってみろ。」
「このような事をしてしまって言い辛かったので、諦めていたのですが、今度の土曜日に温泉で
私の行っていた女子高のクラス会があるのです。このような事をしてしまい断ったのですが、昨
日、仕事だとは知らない紀子から電話があって、私が行かないなら面白く無いので紀子も行かな
いと言われて・・・・・まだ間に合うから一緒に行こうと言われて・・・・・・いいえ。ごめん
なさい。今の私は行ける立場ではありませんでした。忘れてください。・・・・ごめんなさい。」
そう言われると、逆に寛大なところを見せてしまい。
「俺も知っている親友の紀子さんだろ?行ってくればいいじゃないか。美鈴も疲れているようだ
し、気分転換になるだろ?行って来いよ。」
「いいの?ありがとう。ごめんね。」
妻はこの事が気になっていて、気持ちが沈んでいたのだと思いましたが、本当に疲れているのか、
私が行く事を許してもなお元気が無く、お礼を言う時も俯いたままで、私と目を合わさない事が
気になりました。

5月14日(水)

今日は少し早く帰れたので妻に電話をしましたが、やはり妻は元気が無く。
「どうした?一度医者にでも見てもらった方が良くないか?」
「大丈夫です。仕事の事で少し悩みがあって・・・・・それで少し・・・・ごめんなさい。」
「それならいいが、クラス会は大丈夫か?行けるのか?」
「はい・・・行けます・・・・身体はどうもありません。ありがとう・・・ごめんなさい・・・
ごめんなさい・・・・・心配掛けて・・・・・ごめんなさい・・・・・。」
「なんだ?泣いているのか?」
「あなたが優しいから・・・・・ごめんなさい・・・・・。」
妻が泣いた訳は本当に優しくされたからでは無くて、何か私に隠し事をしている罪悪感から泣い
たような気がしてなりません。電話をして余計に心配になりました。

5月16日(金)

まさかとは思いましたが、彼の携帯に電話してしまいました。
「君に聞きたい事があるので明日の夜会えないか?」
「その節はすみませんでした。何か・・・・・。」
「いや。今回の事とは関係が無いのだが、君の勤めている中学に偶然知人の子供が通っていて、
その子の事で相談したい事が・・・・・・・・。」
「虐めか何かですか?それなら明日でも明後日でもいつでもご都合の良い時間を言って下さい。」
「・・・・いや、やめておく。まだ知人に頼まれた訳ではないので、はっきりしてからにするよ。」
言った事は勿論嘘です。また妻を少し疑い出していた私は、もしかすると彼と温泉に行くのでは
無いかと思い、彼の反応を見たかっただけですが、彼の返答から、明日妻と会う事は無いと確信
しました。

5月17日(土)

あれからずっと妻の事を考えていましたが、考えれば考えるほど悪い方に考えてしまいます。
妻のプライベートでは、いい歳をして嫉妬深い男と思われないかと、ほとんど電話を掛けた事は
有りませんでしたが、今はそのような事を言っていられる心境ではなく、夜電話を掛けました。
「身体の調子はどうだ?楽しくやっているか?紀子さんとはもう何年も会っていないから変わっ
ただろうな。携帯で写真を撮って送ってくれないか?美鈴のもカメラ付きだったよな?」
「・・・・はい?・・・・・写真ですか?・・・・・・分かり・・ました。」
妻の声は相変わらず沈んでいました。数分して送られてきましたが、それは、旅館の部屋らしい
所で写っている、浴衣を着た妻一人の物です。浴衣姿の妻は私が見ても色っぽく、しばらく見入
っていましたが、やはり妻1人なのは納得出来ずに電話しました。
「ごめんなさい。みんなで写ろうと思ったのですが、温泉に入ってみんなスッピンなので断られ
てしまって・・・・・・ごめんなさい。」
電話を切ってからもう一度妻の写真を見ると、画像が良く無くはっきりは見えませんが、妻は化
粧をしているようです。一層不信感が募り、明日日帰りで帰る事にしました。

 

戦い 第7回

5月18日(日)

朝1番の新幹線で帰り、途中駅から電話をして、彼に先日の事で相談に乗って欲しいと嘘をつい
て来てもらう事にしました。家に着くと彼は既に来ていて、車の中で待っていました。妻が彼と
一緒で無い事は分かりましたが、妻が塞ぎ込んでいる訳を知っているのでは無いかと、家の中に
入ってもらいました。あの誠実だった妻が浮気をした事は今でも信じられません。その妻が彼と
別れてすぐに、違う相手と浮気する事は無いと思っていましたが、色々質問しても彼の返答は弱
弱しく、俯いたままなので、何か隠していると思い。
「何か隠しているな?そうか、分かった。今までの事を教育委員会に行って話して来る。」
「それだけは止めてください。お願いします。女手1つで育ててくれた母を失望させたくありま
せん。お願いします。それだけは・・・・・・・。」
「それなら話せ。妻の事で隠している事があるだろ?話してくれればそのような事はしない。」
彼は泣き出し。
「すみませんでした。嘘をついていました。・・・・・・私は奥さんと浮気していません。」
「浮気していない?どういう事だ?訳が分からん。正直に話せ。」
「実はある人に頼まれて・・・・・・。たぶん奥さんは今その人と・・・・・・・。」
「でもお前と妻がラブホテルに入るところも、出てくるところも興信所が写真に・・・・・・。」
「その人に頼まれて奥さんを迎えに行き、少ししてから私はその人の車で帰り、また朝に迎えに
行って送り、その人は後から自分の車で帰りました。」
「本当か?まだ信用出来ない。部屋のキーも受け取り、一緒にエレベーターに乗って行ったと、
興信所から聞いている。」
「奥さん1人では恥ずかしいだろうから部屋まで送って、その人が来るまで待つように言われて
いました。」
「どうしてその様に手の込んだ事を?」
「ご主人が疑い出したと奥さんが言われたそうで、探偵でも付けられていると困るからと言って。
もしもの時自分は助かるようにしたのだと思います。奥さんは、私が送り迎えをしていた本当の
理由は知らないはずです。」
「その男は誰だ?どうして教師のお前がそこまでした?」
「その人の名前と、理由は言えません。ごめんなさい。母を悲しませてしまう。私の口から、そ
れだけは言えません。ごめんなさい。許して下さい。」
彼が走って出て行った後、1人残された私は失望と悲しみで声を出して泣きましたが、やがて悲
しみは怒りに変わりました。
妻は夜10時に帰ってきて私に驚き、何か言い掛けましたが私が思い切り頬を張ると、ばれた事
を悟ったのか泣き崩れましたが、更に服を剥ぎ取ろうとすると、狂ったように泣きながらそれを
拒みました。
「誰と温泉に行っていた?お前がその様な女だったとは。嘘で固めて裏切り続けやがって。汚れ
た身体を見せてみろ。クソー。」
ブラウスと黒いブラジャーを剥ぎ取ると、乳房に何箇所かキスマークや噛まれた痕のような物が
赤く残っています。さらによく見ると、手首や足首も微かに赤くなっていたので、私の脳裏には、
温泉旅館の部屋で、妻が縛られた格好で顔も分からない男に責められている姿が浮かび、悔しく
て、また妻を平手で殴りました。

5月19日(月)

妻に罵声を浴びせ続けていて、正気に戻ったのは0時を過ぎていました。妻の顔を見ると腫れて
いて、口の中を切って唇から血が垂れています。少し落ち着いた私はハンカチを出して血を拭き
取るように言い、問い正しました。
「相手は誰だ?そいつも徹底的にやってやる。相手を言え。」
妻も2時間泣き続けたので少し落ち着いたのか、涙は流していますが割と冷静な口調で。
「ごめんなさい。彼の名前だけは言えません。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「まだ庇うのか?頭に来た。」
また手を上げましたが腫れた顔を見て、もう殴れませんでした。
「それだけは言えません。どのような罰も受けます。許して下さい。彼の事だけは言えません。」
「そうか。それならどの様な手を使っても必ず調べて、地獄に落としてやる。」
私は聞きたい事がまだ沢山あったのですが、妻がまた激しく泣き出したので、落ち着くのを待ち。
「相手の事は置いておいて、どうしてあの先生と浮気したと嘘をついた?どうしてあのようにス
ラスラと嘘をつけた?正直に話せ。」
「それは・・・・・・彼が・・・・・・。」
「話を聞いても聞かなくても、もう美鈴とは終わりかもしれない。でも知りたい。」
「別れるのは嫌です。許して下さい。離婚は嫌です。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「それなら尚の事、正直に話してくれ。」
「彼は以前奥様に浮気された事があって、奥様が相手を愛してしまった事、相手とのセックスが
気持ち良かった事、会う度に何度も関係を持った事を聞き出し、凄くショックを受けたそうです。
ですから、あなたが興信所に行っている間、先生のが小さくて感じなかった事や、同情からで相
手を愛していない事、会ってもあまり関係を持たなかった事にすれば、あなたは必ず許してくれ
ると言われました。その上歳が離れているので、別れて相手と結婚する心配もしないだろうと。」
「相手を庇い、ばれる心配があっても続けていたと言う事は、相手が好きなのか?俺の事を嫌い
になったのか?」
「違います。あなたを愛しています。こんな事をしておいて言い難いのですが、家庭も壊したく
無かった。あなたに不満はありません。本当です。あなたが好きです。」
「では何故こんな事に?どうして俺を裏切る?」
「ごめんなさい。私にも分かりません。あなたを愛しているのに、どうしてだか分からないです。
あなたを好きなのに、彼の事も・・・・・・・。ごめんなさい。ごめんなさい。」
彼の事も好きだと言い掛けたと思い、言いようの無い寂しさに襲われました。この後何度も妻を
問い詰めましたが、結局相手の事は言わずに朝を迎え、会社に嘘をついて何日か休む事を電話し、
少し休もうと横になった時妻の携帯が鳴り、それは妻の上司からのようで、今日は休む事をお願
いしていました。妻の顔は腫れて少し青あざになってきたので、しばらくは行けないと思います。
横になっていて眠ってしまい、目が覚めたのは夕方でした。妻は腫れた顔を冷やしながら泣いて
いて、寝ていないようです。先生をしている彼に連絡を取ると、私と会うことを意外とあっさり
承諾してくれたので、妻を残して会いに行き、待ち合わせ場所で彼の車に乗り込むと。
「ご主人がまた連絡してくると思っていました。今度会ったら全て話そうと覚悟していました。」
「そうか。ありがとう。実は今日、脅迫してでも聞き出そうと思っていたのだが・・・・・・・。」
「自分の蒔いた種です。もう逃げない事にしました。奥さんの相手は野田です。たしか奥さんの
上司だと思います。私は昨年、新任の教師としてこの学校へ赴任して来ました。新任なのにすぐ
にPTAの係りにさせられ、何も分からない私はお母さん達と上手く付き合う事ができずに悩ん
でいました。その時役員の1人だった野田の奥さんに優しくされ、誘われるままに関係を持って
しまいました。女の人が初めてだった私は、彼女の身体に溺れてしまい、やがて探偵を付けられ
て発覚し、慰謝料も分割ですが払い終わりました。先月初め野田に呼び出され“今不倫をしてい
て、ばれるかもしれない。俺が不倫したのもお前達のせいだ。ばれないように協力しろ。もしば
れた時はお前が身代わりになれ。そうしないと学校、教育委員会、PTAに生徒の母親と不倫し
た教師を処分しろと言いに行く。”そう脅されました。」
「そうか。妻から聞いた事にして、あんたの名前は出さない。ありがとう。」
急いで家に帰り。
「おい、相手が分かったぞ。課長の野田だそうだな。あんなもっともらしい電話までして来やが
って。なんて悪賢いやつだ。分かったからにはキッチリ責任は取ってもらう。」
「いいえ、違います。野田課長ではありません。違います。」
「まだ庇うのか?そんなにあいつが好きか?それなら明日会社に行って確かめてやる。」
「それだけは・・・・・お願い、それだけは止めて下さい。お願いします。お願いします。」
妻の泣き声を聞きながら、どう決着を付けるか考えました。

 

戦い 第8回

5月20日(火)

朝9時に妻の携帯から電話すると。
「美鈴どうした?不都合な事でも起こったのか?」
「美鈴?不都合な事?今から家に来い。話がある。用件は分かっているはずだ。」
「あっ、ご主人。いえ。今から仕事で。今からは無理かと。今からは・・・・・・。」
「仕事?人の家庭を無茶苦茶にしておいて、仕事だと?それならいい、今から俺がそちらに行く。」
誰か近くに来たのか、口調が変わり。
「いいえ。今から御社にお伺い致します。」
「御社?会社ではまずいのなら、すぐに来い。」
野田が来たのは11時を過ぎていました。部屋に入り腫れた妻の顔を見て全て悟り、立ったまま
頭を下げて謝罪しています。
「大きな会社の課長までしていて、謝り方も知らんのか?」
野田が慌てて土下座したのを見て近くに行き、蹴り倒して馬乗りになり、妻の時とは違い拳で2
発殴りました。次に拳を振り上げた時、その腕に妻が両手で縋り付き。
「あなた、もう止めて。許して下さい。どんな償いもします。何でもします。お願い、許して。」
野田は私が離れると、ハンカチで鼻血を拭きながら、ゆっくりと起き上がって正座しました。
「どうしてこうなった?妻が好きなのか?遊びか?」
「私の家は家庭内別居しているようなもので、最初は相談に乗って貰っていましたが、その内に。」
「好きになったのか?お互いに好きという訳か。いいぞ、離婚してやる。今から連れて行け。た
だ俺も長年親しんだ身体だ、名残惜しいので最後に1度だけさせろ。」
妻の着衣を荒々しく剥ぎ取ろうとすると、妻は泣きながら抵抗します。それでも下着だけの格好
にして野田を見ると、俯いたまま黙っていて顔を上げません。
「お前も見慣れた裸なので、あまり興奮しないかも知れないが、どうだ?いい身体だろ?40歳
を過ぎているとは思えないだろ?この身体を譲るのだから安くは無いぞ。美鈴、身体の中まで散々
見せた間柄だろ?恥ずかしがらずに、いくらで買って貰えるか立ってよく見てもらえ。」
妻は膝を抱えて泣いています。
「申しわけ御座いませんでした。許して下さい。離婚までは望んでいません。もう二度としませ
んので、許して下さい。」
「あなた、ごめんなさい。もうしません。ごめんなさい。」
野田は、明日また来るので、今日はもう許して欲しいと言いました。
「明日までに考えておくから、お前もよく考えて来い。それと、離婚するつもりでいるが、もし
離婚しない時でも、こいつはもう家政婦としてしか置くつもりは無い。家政婦を抱く訳にもいか
ないから、女を抱きたくなったら金が掛かる。慰謝料は多い目に頼むな。」
こんな妻でも今までの生活を考えてしまい、情けない事にまだ未練があって、別れられないと思
っていても、汚い言葉で強がりを言ってしまいます。別れる気は無くても、別れると言って二人
に対して強がる事だけが、妻を寝取られた私に残されたプライドでした。野田が逃げるように帰
ってから。
「美鈴、これからどうしたい?俺は別れたいが、お前はどうだ?お前にお願いがある。もし別れ
たら子供達には出来るだけ会わないで欲しい。お前のような人間にはしたく無いからな。」
私は女々しいと分かっていても、子供の事まで持ち出して繋ぎ止めようとしました。別れたくな
いのは未練だけでなく、自分だけが不幸になり、また妻が野田と付き合い、最悪再婚でもして幸
せになる事が許せない思いもあります。本当に女々しい男です。
「離婚だけは許して下さい。家政婦でもいい。ここにいたいです。あなたが好きです。お願いし
ます。離婚だけは・・・・・・。彼とは別れます。忘れるように努力します。」
「忘れるように努力する?何だそれは。もういい。」
「ごめんなさい。あなたに悪いと思いながらも、正直に話しました。もう二人では絶対に会いま
せん。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「お前はあいつのどこに惹かれた?セックスか?あいつは上手いのか?」
「違います。最初、昨年の忘年会が終わってから、聞いて欲しい事があると言われて、二人で喫
茶店に行きました。彼は奥様が浮気してから奥様を許せない事、それでもまだ愛していて別れる
事が出来ない事を打ち明けてくれました。彼は仕事も出来、人望もあって強い人間だと思ってい
ました。決して人前では弱みをみせませんでした。その彼が私の前では涙まで流し、気がおかし
く成ってしまいそうだから助けてくれとまで言いました。その後何度か仕事が終わってから、悩
みを聞いてあげる様になり、次第に関係も持つようになってしまいました。彼には以前から憧れ
の感情は持っていました。でもそれは愛情とは違い仕事が出来る強い男への憧れでした。でも私
だけに弱みを見せてくれる彼を助けてあげたい、心がいっぱいになった時は、少しでも楽にして
あげたいと思って会っている内に・・・・・・・・・・・・。ごめんなさい。」
「それが愛情だろ?愛してしまったのだろ?そうでないと俺を裏切ってまで旅行に行くか?」
「いいえ、愛しているのはあなた1人です。旅行に誘われてから、あなたに優しくされて、自分
が嫌で仕方がありませんでした。もうこの様な関係は止めなければと思いながらも、会いたい誘
惑に勝てず、あなたに申し訳ないと思いながらも・・・・・・・・。」
妻の言う意味が私には理解出来ません。二人の男を好きになったと思い。
「会いたいという事は好きという事だろ。俺との関係はそのままで恋人にも会いたい。それが許
せると思うか?あいつを助けるために俺をあいつと同じ目に合わせたと言う事は、俺より好きな
んだろ?あいつとはセックスをして、俺にはさせなかったと言う事は、そういう事だろ?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。彼を嫌いではありません。いえ、好きです。でも愛情とは違い
ます。愛しているのはあなただけです。あなたを拒んだのも罪悪感からです。彼に抱かれた身体
であなたに抱かれる事は、あなたに悪くて出来ませんでした。あなたに誘われる度に罪悪感でお
かしく成りそうでした。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「お前の話は到底理解できん。あいつに抱かれる時に罪悪感を持つのが普通だろ。言い訳しても、
結局はあいつに抱かれたかっただけだろ?このまま安定した生活を送りたいが、好きな人に抱か
れたい。好きな人に抱かれた身体を、好きでも無い俺に触られたくない。そうだろ?そんなに俺
を苦しめて楽しいか?面白いか?離婚してもお前とあいつだけは、絶対に幸せにはしない。幸せ
になりそうな時は、あいつを殺してでもお前を後悔させてやる。絶対に許さん。」
「そんな事言わないで。ごめんなさい。殺すなんて、そんな怖い事言わないで。離婚なんて言わ
ないで。ごめんなさい。ごめんなさい。」
その後泣き続けていた妻は簡単な夕食を作りましたが、自分は食べませんでした。二人を別れさ
せる事は出来ても、気持ちまでは縛れない事に苛立ちます。話を聞けば余計辛くなっても、妻と
話していないと本当におかしく成ってしまいそうで、少し落ち着いた妻に。
「あいつは離婚して、お前と一緒になるつもりだったのか?」
「それはありません。私の事を好きだと言ってくれましたが、彼も愛しているのは奥様だと思い
ます。最近になって“妻に裏切られ悩んだが、俺も他に好きな人が出来た事で、妻との関係も良
くなってきた。”と言っていましたから。」
「俺をこんな目に合わせて、自分は楽になったのか?そんな事は許さない。ぶち壊してやる。」
「お願いですから止めて下さい。私はどの様な罰も受けます。一生懸命償います。ですから、お
願いします。お願いします。」
まだ野田を庇う妻に怒りが増し。
「お前、あいつの事を知っているのか?今度の事もお前と先生に罪を被せて、自分だけ助かろう
としていた卑怯な奴だぞ。そんな奴と俺を比較されるだけでも頭にくる。」
「知っていました。先生をまだ憎んでいて許せず利用した事も、自分は逃げようとした事も。そ
こが彼の弱さです。卑怯だと分かっていても・・・・・・・・。」
妻は何か熱病にでも罹っているような状態で、私は理解に苦しみました。
「下種な質問をするが、お前は抱かれて感じたのか?あいつの物を咥えたのか?何度も絶頂の声
を上げたのか?手首が赤くなっていたが、縛られるような行為もしていたのか?それも感じたの
か?俺にばれなければ、まだ二人で会っていたと思うか?」
大粒の涙を流しながら全てに頷く妻を見て、無意識に右手を振り上げてしまいましたが、殴られ
る覚悟で目を閉じた妻を殴る事は出来ずに手を下ろすと。
「ごめんなさい。あなたをこんなに苦しめて。許して下さい。私は殺されても文句言えません。
私が一緒にいると、あなたを苦しめてしまう。あなたが楽なら離婚してもいいと今思いました。
離婚されても、殺されても仕方が無い人間です。ごめんなさい。ごめんなさい。」
離婚や死ぬ覚悟までした妻を、どうしたら良いのか分からず途方に暮れました。

 

戦い 第9回

5月21日(水)

あれから妻と言葉を交わす事はありませんでしたが、昼に野田から電話で、午後6時に来たいと
連絡があり、妻に。
「色々考えたが、離婚はしない事にした。」
「ありがとう。ごめんなさい。もうしません。」
「勘違いするな。お前を許した訳では無い。離婚してお前が幸せになる事が許せないだけだ。離
婚すれば大手を振ってあいつと楽しむつもりだろ?一生手元に置いて償わせてやる。一生苦しめ
て後悔させてやる。もう妻とは思わない。」
「それでもいいです。あなたが少しでも楽になれるなら、どの様な事をされてもいいです。あな
たが側にいる事を許してくれれば、私は側にいたいです。」
野田は時間通りに来て、部屋に通すとすぐに土下座して謝っています。
「どうするか考えて来たか?俺も考えたがお前から話せ。」
「もう二度と二人で会わない事と、仕事以外は連絡しない事を約束します。誓約書も書きます。
それと慰謝料として、前回お支払いしたのと合わせて百五十万お支払いします。これでどうかお
許しを頂きたいのですが。」
「25回したとして6万か。おい美鈴、お前を1回6万で買ってくれたぞ。」
「そういう意味では・・・・・・。すみません。」
「それはいいが、前回?あれは先生が、もう妻には会わないと言って払った分だ。誓約書もある。
何か勘違いをしていないか?まさか自分の不倫を人に身代わりさせる様な、汚い人間はいないだ
ろ?それとも、好きだと言いながら好きな人を放り出して、自分だけ助かろうとしたのか?」
「すみません。そのとおりです。卑怯な人間なのです。」
「まあいい。どちらにしてもそんな条件では納得出来ない。お前は何歳だ?それと奥さんの歳も
教えろ。」
「私は49歳で妻は40歳です。それよりどうすれば許して頂けるのでしょう。」
「俺の条件か?それは奥さんだ。お前は奥さんに浮気されて苦しんだ。でも妻を抱いて苦しみが
減った。そうだな?俺は今お前と同じ心境だ。とても苦しい。そうかと言って、お前の様に他人
の家庭を壊してまで楽になりたいとは思わない。また美鈴のように誰にでもすぐに股を開く女は
そうはいない。でも俺も浮気をして楽になりたい。意味が分かるだろ?金はいらない。百五十万
円分、お前の奥さんを買ってやる。ただ顔と身体を見るまでは、25回になるのか100回にな
るのかは決められない。今すぐにここに呼べ。それ以外の条件は飲めない。」
勿論、私にその様な気はありません。ただ、妻からまだ奥さんを愛していると聞いて、野田が嫌
がる事を言いたかっただけです。
「それだけは許して下さい。他の条件なら何でも聞きます。お願いします。」
「駄目だ。お前の奥さんも美鈴と一緒で、すぐに股を開くのだろ?自分だけ俺の妻を抱いておい
て、自分は嫌なのか?まあお前に同意を求めている訳ではない。俺はそう決めたのだ。お前がい
ない間に強姦してでもそうする。それと言い忘れたが妻とは離婚しない事にした。手元において
一生苦しめる事にした。いままで散々楽しんだから、今からの人生、楽しい事は何もさせない。
土日も夜も働いてもらう。その金で俺は楽しむつもりだ。野田、お前は顔が広そうだから、夜の
バイトを何か知らないか?最近はこいつの歳でも金になる所があるらしいじゃないか。もう俺以
外に抱かれたから、誰に何回抱かれようがいいと思っている。」
野田は涙を流しましたが、その位では気も晴れません。
「すみませんでした。許して下さい。妻の件も美鈴さんの事も許して下さい。美鈴さんにその様
な事をさせないで下さい。お願いします。お願いします。」
「駄目だな。俺はもう決めたと言っただろ?それに美鈴は了解している。どんな償いもすると言
っている。何でもするから、ここにいたいと言ったよな?」
妻は大きな声を出して泣き出しました。
「話は終わった。もう帰ってもいいぞ。帰らないのか?今から美鈴に掃除させる。一人前に服を
着ているのも気に入らない。美鈴、服を脱げ。裸で掃除しろ。まだ帰らないのならお前も見てい
け。美鈴、お前の好きな野田も見ていてくれるそうだ。早く脱げ。今から一生家の中では裸でい
ろ。」
野田は居た堪れないのか帰って行きました。私はベッドに寝転び、どうして心にも無い事が、次
から次に口から出るのか考えていたら、妻が入ってきて服を脱いで裸で掃除を始め。
「私はあなたの言うとおり何でもします。夜のお勤めにも行きます。ですから奥様の件は許して
あげて下さい。彼の奥様にそのような酷い事はしないで下さい。お願いします。」
夜9時に今からもう一度来たいと電話があり、途中まで来ていたのか10分ほどで来ました。
「美鈴。お茶を持って来い。」
妻は寝室から慌てて服を着て出てきたので。
「お前の言う事は嘘ばかりだな。俺の言う事は何でも聞くから、奥さんの件を許してくれと言っ
たばかりだろ?お前が裸で掃除を始めたので、そうしようかと思った俺が馬鹿だった。」
妻は彼と目を合わさないように、俯きながらお茶を持って来ました。
「どうして裸で来ない。こいつには縛られて色々されたくせに、まだ恥ずかしいのか?どうして
俺に逆らう?さっきの話は無かった事にする。」
こんな事を言っていては、妻の気持ちが更に離れて行く事は分かっていました。それでも、野田
の前では、特に虐めないと気が済みません。
「美鈴さんを虐めないで下さい。お願いします。今までの私は卑怯でした。私はどの様な償いで
もしますから、どうか美鈴さんを許してあげて下さい。お願いします。お願いします。」
「他人の家庭に口を出すな。お前が美鈴を庇う事自体気に入らない。それより何をしに来た?話
は終わったはずだ。」
「帰って妻に全て話しました。妻は自分の事があるので私を責めずに自分を責め、狂った様に泣
いていました。もう別れる事になるかも知れません。妻を抱かせる事は出来ませんが、他の条件
を言って頂ければ、出来る限りの事をさせて頂きます。慰謝料もご希望の額を言って下さい。そ
れでどうか許して下さい。美鈴さんもどうか許してあげて下さい。」
「それなら、美鈴には働いて貰わないといけないから、お前が会社を辞めろ。それと慰謝料1億。
毎日10万ずつ俺の赴任先まで持って来い。その度に1発ずつ殴らせろ。それで今回の事は許し
てやる。」
「そんな無茶な。慰謝料1億なんてとても無理です。それに会社を辞めると慰謝料も払えません。」
「さっき、他の事なら何でもするから言ってくれと言っただろ?だから言っただけだ。出来ない
なら初めから偉そうに言うな。」
「もう駄目です。裁判を起こして下さい。第三者に入って貰わないと私では・・・・・・・・。」
「何だ?逆切れか?謝りに来たと思っていたが、喧嘩を売りに来たのか?頭に来た。裁判なんか
しない。非合法な事でも何でもしてやる。俺の人生を無茶苦茶にされて、もう怖い物はない。警
察に捕まってもそれはそれでいい。徹底的にやってやる。それとお前が言った分、美鈴に返って
行く事が分からないか?おい美鈴、腹が減ったからコンビニで何か買って来てくれ。ただし下着
は着けるな。コンビニに着いたらスカートを上げてお兄ちゃんに“これで少し安くして”とお願
いしてみろ。」
自分でも歯止めが利かなくなっていて、言う事がどんどんエスカレートしてしまいます。無理難
題を言ってしまい、どこで決着を付ければいのか自分でも分からなくなっていました。
「すみません。興奮してしまって言い過ぎました。許して下さい。慰謝料も今の私には2百万が
限界です。それも分割をお願いしないと払えません。毎日は無理ですが毎月持って行きますので、
その時に殴って頂いて結構です。もう二度としない事を誓約書に書き、その後また私に出来る事
があれば、追加して書き直す事も約束します。どうかそれで許して下さい。美鈴さんにも酷い事
をしないで下さい。お願いします。」
妻の目にはどう映ったでしょう。理不尽な旦那と誠意ある恋人。私が怒れば怒るほど彼が良く見
えたと思います。私は冷静さを欠いて、酷い対応をしてしまいました。

 

戦い 第10回

5月22日(木)

目が覚めても妻と野田への怒りは変わりませんが、冷静さは取り戻し、昨日の事を考えていまし
た。妻の心を私だけに振り向かせたいのに、怒りに任せて心にも無い事を言ってしまい、逆に妻
の心を彼に向けてしまったのではないかと悔やみました。二人を引き離す事が出来ても、心を引
き離す事が出来なければ、私の心は満足しません。そうかと言って、妻に泣いて縋り付く事はプ
ライドが許さないのです。
寝室を出てキッチンへ行くと、妻は裸で朝食の支度をしていました。私に気付いて振り向き、朝
の挨拶をした寂しそうな目には涙が溜まっています。寝室で昨日の事を反省したはずなのに、妻
を見ると嫌味を言ってしまいました。
「どうした?寂しそうな目をして。あいつと今までの様に付き合えないのが、そんなに寂しい
か?あいつを忘れる事が出来なくて苦しいのか?」
「朝から泣いていて、ごめんなさい。ずっとあなたの事を考えていました。あなたと付き合い出
してから、今までの事を思い出していました。結婚出来た時は本当に嬉しかった。あなたがいれ
ば、他には何もいらないと思いました。私はどうしてこんな女に成ってしまったのだろうと考え
ていました。あなたは短気な所もあったけど、優しい人だった。いいえ、今も優しい人です。そ
れを私が・・・・・・。彼の助けに成りたいと思って、あなたに対してこのような酷い事をして
しまい、傷付けてしまい、どう償えばいいのか分かりません。あなたが望む事は何でもするつも
りです。彼の事はまだ忘れられません。またあなたに怒られるけど正直な気持ちです。でも、あ
なたを失ってまで、彼と続ける気はありません。裏切っておいて信じて頂けないでしょうが、あ
なたの方が大事です。あなたを愛しています。彼の事は忘れるように努力します。必ず忘れます。
自分でもこんな考えは許されないと分かっています。逆の立場だったら、私は耐えられないと分
かっています。でも、もうあなたに嘘はつきたく無いから、今はそういう言い方しか出来ません。
ごめんなさい。ごめんなさい。」
「正直に話しているのは分かる。でもな、お前の正直な気持ちが、努力しなければ忘れられない
という事が我慢出来ない。俺は今まで美鈴だけを見てきた。美鈴も当然そうだと思っていた。し
かし美鈴は他の男も見ていた。人の心までは縛れない。美鈴の心まではどうする事も俺には出来
ない。それでも我慢出来ないんだ。それともう1つ。下品な話だが、美鈴のあそこは俺だけの物
だった。そこに他の男が入った。美鈴の絶頂を迎える時の顔や声は、俺にしか見せないはずだっ
た。それをあの男にも見られた。女のお前に理解出来るかは分からんが、その事もどうしようも
無く辛い。ただの独占欲かも知れないが、気が狂いそうなほど辛い。お前に分からなくても、あ
の男はその辛さを知っているはずだ。知っていながら自分の事しか考えずに俺を傷つけた。俺に
あと少しの勇気があれば、今の生活を捨てられる勇気があれば、包丁で刺していただろう。プラ
ットホームで俺の前に立っていたら、電車が来る寸前に背中を押すと思う。お前に俺の気持ちが
分かるか?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。そんなに苦しめてごめんなさい。取り返しの付かない事をして
しまいました。許して下さい。あなたが言ったように、もう一生楽しい事が無くてもいい。許し
て下さい。お願い。お願いします。」
「お前があの男を忘れられないのと同じで、何を言われても、何回謝られても今は許せない。許
せる時が来るのかどうかも分からない。1つ言える事は、あの男だけは一生許さん。許す気もな
い。これから一生復讐を考えながら生きて行くと思う。きっと復讐の機会を伺いながら生きて行
くだろう。野田が先生に罪を被せたのも、復讐の1つだと思う。もしもの時の為に復讐と保身の
一石二鳥を早くから考えていたに違いない。あの男が今も先生を許せないのと同じで、俺もこれ
からずっと復讐を考えながら生きて行く。俺だってそんな人生は送りたくない。そんな人生は嫌
だ。でも誰がそうさせた?誰が悪い?俺か?俺がお前達の関係を認めて、笑っていれば良かった
のか?俺だってこんな人生・・・・・・・・・・・・・・もういい、服を着ろ。」
「あなたのこれからの人生を駄目にしてしまった。こんなにも苦しめてしまった。私はどうした
らいいの?どうしたらあなたの心を楽に出来るの?一生復讐を考えて生きるなんて、そんなあな
たにしてしまった私は、どうやって生きていけばいいの?ごめんなさい。許して下さい。忘れま
す。彼の事は忘れます。あなただけを見て生きて行きます。だから許して。許して。」
「簡単に忘れると言うが、それならどうしてもっと早く忘れなかった?忘れようとしても忘れら
れなかったのだろ?今はそう言うだけで、簡単に忘れる事は出来無いだろ?それと同じだ。俺に
どの様な復讐が出来るのかも分からん。ただ、今の俺の正直な気持ちだ。」
寝室に戻り、今後の事をずっと考えていました。その時携帯が鳴り、見ると私の会社からでした。
「ここ何年か一度も有給を取っていなかったので、日曜まで休みを貰っていたが、明日どうして
も出社して欲しいと頼まれたから、俺は今夜の新幹線で戻る。美鈴も仕事を辞めさせて連れて行
くつもりだったが、ここに残って会社に行け。情けない話だが、子供を2人共私大に入れてアパ
ート暮らしをさせる事が出来たのも、お前の収入もあったからだ。今の会社を辞めて違う仕事を
探しても、今の収入は無理だろう。でも、それだけでは無い。一緒に暮らしても俺はお前を24
時間監視する事は出来ないから、会おうと思えば会える。結局お前の気持ちが変わらなければ同
じだ。身体の関係は勿論だが、心の繋がりが無くならなければ同じだ。昔の歌にもあったが逢え
なくなって尚更募る恋心という事もある。毎日仕事で顔を合わせて、それでも何の感情も無くな
れば本物だと思う。お前とあの男が毎日顔を合わせる事は正直辛い。しかし、自分でも甘いと思
うが、お前の気持ちが変わる事を信じようと思った。今の気持ちに切りを付ける為ならあいつと
2人で話をしてもいい。ただ甘い言葉や、身体の関係は許さん。そうは言っても隠れてホテルに
行く事は出来るがな。でも、もうこれ以上俺の人生を辛い物にしないでくれ。またそうなった時
は、今度は復讐だけの人生になってしまう。他には何も無くなってしまう。結局物理的に引き離
す事は出来ても、美鈴の気持ちが俺だけに無いと、この問題は俺の中で解決しない。悔しいが美
鈴の心まではどうにもならない。美鈴に任せるしかない。」
「もう二度と裏切りません。また信じてくれるあなたを裏切る事はしません。ごめんなさい。ご
めんなさい。必ずあなただけを見られる様になります。私も昔の様にあなただけを見ていたい。
ごめんなさい。ごめんなさい。」

 

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